杉とニカワと柿渋
制作していて思うのが、できるだけ自然な素材でつくりたいな、ということ。なぜかと言うと、できあがったときの感じが違うから。
カリンバのボディに杉を使う。杉は古来から日本人には親しみ深い身近な木だし、神社には太い杉があるし、屋久島には縄文杉もある。神聖な感じと親しみを合わせ持っている木だ。
ニカワは動物の皮などを煮てできる世界中に昔からある接着剤。
柿渋も青い渋柿を発酵させてできる伝統的な自然塗料だ。
こうした自然の素材で作られたカリンバは、人工的なニスなどの塗料やケミカルな接着剤や接着剤で木を固めた集成材で作られたものにはない深い力がある。
その力が何なのかは一言では言い難いが、潜在意識のような深いところと繋がっている力だと思う。自然のものはすべて繋がりのなかで存在している。だから自然のものからできたカリンバは、すべてがひとつであるような懐かしく、温かなところを思い出させてくれる。