東京商工リサーチが行った「介護離職に関するアンケート結果」
2023年8月までの1年間に介護離職が発生した企業は10.1%
離職してしまった従業員の属性は、正社員が65.3%。
介護で退職する年齢層は50歳以降が多くなる傾向になります
脂の乗り切った一番の働き盛り、経験も技能も十分に蓄えたこの時期・・・
離職してしまう可能性が高まることを意味しています。
また、この調査では、54.5%が、介護休業又は介護休暇を利用せずに退職、仕事と介護の両立支援に関するマニュアルなどを作成していた企業は50.2%となっており、
・制度の周知や制度利用の働きかけが足りない
・労働者本人も周囲に気遣いし、介護休業・休暇取得に至らない
といった状況で、まさに未だに制度だけが独り歩きしているといった感じです。
私は、自論として「トライアングル共鳴理論」と呼んでいる理論があります。
①労働者本人
②上司
③人事・総務担当者
この3者を三角形のトライアングルに見立て、それぞれが立場に応じた役割を整えることで、労働者の介護離職を抑えるといったものです。
①労働者本人
介護保険制度や介護の相談窓口、各種介護サービス、介護休業などの働き方に関する基礎的知識の習得
②上司
相談に乗ることにより労働者の不安感を軽減、安心して休業・休暇を取得できる雰囲気づくり、労働者本人の現在の情報収集、仕事と介護が両立できるための業務の代替え支援・シェアリングなどの仕事・作業の調整
③人事・労務担当者
介護休業・休暇制度取得の啓発、制度の情報提供、介護休業取得のための制度適用と会社規程の案内と説明、専門家との連携支援(社労士やケアマネージャーなどの介護支援の関係者)
「トライアングル共鳴理論」は①~③のそれぞれの方々が研修や個別の相談を通して三角の輪をグルグル回すことで共鳴し合いながら、シナジーを生み出し「介護離職防止」機能を高める考え方です。
今後、触れていくことが多くなると思いますが、介護離職防止を企業風土として導入していくなら、企業の考え方の基礎にこれがあることが必要です。
いきなりやろうとしても、人が育ってないから風土として生き付きません。
まずは下地作りからですね。
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