無菌と抗体
赤ちゃんは母体の中で無菌で10ヶ月を過ごす。
妊娠してからそんなことを耳にして、想像していたよりもはるかに神聖なものであることを実感した。
生まれてきて、母乳を飲んで、抗体をつけこの世界で生きていく強さを身につけて大きくなっていくという。
出会うこの世の人はみな、無菌を体験してきたわけで、その人が生きていく上で必要な抗体をそれぞれが身につけてきた。
食べるものが違う、寝る場所が違う、関わるものが違う。同じ人などどこにもいない。
それは当たり前のように謳われることではあるが、人の本能として身につける抗体がそれぞれで、それが人の個性になる。
その抗体同士が、手を繋いだり、ぶつかったり、現象が繰り返されて関係が生まれていくわけかとなんだかとても腑に落ちた。
私の赤ちゃんは2月に産まれる。
まずは力強く生きるための抗体を吸収してほしい。次は優しくするための抗体を。
私もきっと赤ちゃんに出会い、今までにない抗体を手に入れる。
身につくもので身につけるものではない抗体。
自分で選びきれないものではあるが、きっとそれが私たちを大切に守っている。
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