物流2024年問題に関する考察①
こんばんは。こんにちは。かくたです。
急ではございますが、、!
物流2024年問題ってみなさんご存じでしょうか。
2023年ころからメディア、ニュースなどで騒がれてきて、最近では私もウェビナーなどで発信してきました。
ただ、一般的には、ECの配送の問題として発信されることが多いと思います。
実はECの配送の問題は主題ではない!のです。ECの配送は社会的に重要ではあるものの、物流2024年問題がECに及ぼす影響はほんの一部分なんです。
ではどんなことなのか?ウェビナーでも何度も解説してきたこの物流2024年問題について私の考察を書いていきますね。
物流2024年問題とは
まず物流2024年問題についてです。「働き方改革関連法によって、自動車運転が伴う業務の年間時間外労働時間の上限が960時間(80時間/月)に制限されることで生じる課題群」を指します。
働き方改革関連法で36協定をはじめ、労働時間や有給取得等が厳格に管理されるようになっています。ただし、上記に記載のある通り、自動車運転が伴なう業務のトラックドライバーやそれ以外でも建設業、医師はすぐに適用されずに2024年4月まで猶予されていたました。
日本の働き方の中で「労働時間」や「拘束時間」の長さとその対価としての賃金が低いことが社会課題として捉えられています。
「労働時間を是正(短縮)」をし、「賃金を上げ」ていくことを実現する必要があるのです。
人手不足という課題があるにも関わらず、法律によって強制的に労働時間などの規制をすることは、一般企業が試行錯誤をしない限り解決することなんてできないんですよね。これは一部の方の推察ですが、規制をすることで、強制的に工夫などを企業に促すことになるので、国や政府からの挑戦状なのではないか?という事も言われています。
物流2024年問題を端的に言うとトラックドライバーの労働力が大幅に圧縮されることで、今まで運べていたものが、運べなくなるという物流の停滞に関する問題だよ〜ってことです。
物流2024年問題によって受ける消費者への影響とは?
さて、それでは私たち消費者にとってどんな影響があるのでしょうか?
物流2024年問題は、じわじわわたしたちに影響してくることだと考えています。
私が考えている影響すると思われることは大きく2つです。
▼コストの問題
・配送料が上がる
・商品価格が上がる
▼物流自体の遅延・停滞に関すること
・宅配便の到着までのスピードが落ちる(+1日~2日程度)
・小売店の商品不足(実店舗への納品頻度が少なくなる)
以下解説していきます。
①コストの問題
配送料は佐川急便やヤマト郵便局がリリースしているようにどんどん上がる流れができています。
郵便局については、2024年10月にははがきや封書などの費用も大幅に上がることがわかっています。以下がはがきと封書の最近の値上げの動きです。
【はがき】
2017年6月:52円から62円へ大幅値上げ
2019年10月:63円へ値上げ
2024年10月:63円から85円へ大幅値上げ
【封書(25g以内)】
2019年10月:82円から84円へ値上げ
2024年10月:84円から110円へ大幅値上げ
2024年10月には郵便料金の大幅値上げが待っています。※年賀状文化もおそらく衰退し続けるでしょうか。。
また10月にはネコポスという配送方法が、クロネコゆうパケット(郵便局が配送するサービス)へ完全に移行する見込みです。
〜これは本当に大事件〜
はい、次は物流2024年問題によって商品価格が上がることについての解説です。
まず、商品が出来あがるまでには、大きく2つの物流が考えられます。
1、素材や部品の調達:原材料の提供会社から工場への輸送
2、商品を小売店で販売:工場から店舗への輸送
ドライバーの労働力が減っているということは、供給量(輸送能力)が減っているのに需要(物量)は変わらないし増える可能性があるために、原価高騰は免れず結果として商品の売価が上がってしまうよねってことです。
②物流自体の遅延・停滞
EC販売後の物流は、宅配便と呼ばれる物流。大手宅配便会社でも長距離輸送の標準日数を以前よりも長くなってきているのはご存知ですか?
それに加え、各ECモールではゆっくり配送など推奨しはじめています。
(参考)配送期間に関しての情報
参考①:一部区間における 宅急便などの「お届け日数」と「指定時間帯」の変更について/ヤマト運輸
参考②:ZOZOTOWNで「ゆっくり配送」を試験導入、4月2日(火)から開始
参考③:急がない荷物はお届け日指定でおトク!「おトク指定便」PayPayポイントもらえる/Yahoo!ショッピング
小売店の商品不足
輸送能力=労働力が大幅に減ることによる、物流の停滞への影響は、ある調査で試算されています。以下のように35%の荷物が届かなくなると推察されているデータもあります。※おそろしいです。。
地方部は特に届かなくなる荷物が増えてしまうという試算となっており、いよいよ物流危機がめの前に迫っています。
参考:第351回NRIメディアフォーラム P13
運送会社の実情
運送会社は、労働力不足によって生産性の高い案件を中心に受託をしないと、売上やドライバーに支払われる給与も維持・向上させることが難しくなります。生産性の高い案件とは、拘束時間と報酬のバランスが高いものです。
結果として運送会社側としては、仕事を選ぶ時代に入り、委託をするメーカーや事業者は委託料を上げていかざるを得ないのではと私は考えています。
物流2024年問題でメディアやニュースが伝えていないこと(伝えづらいこと)
さて、BtoB輸送のことやECの配送のことについてお伝えしてきましたが、ここでデータを提示します!
あるデータによると日本の総物量から見る宅配便の物量(重さ)は、なんと、1.4%にも過ぎないということが試算されています。
参考:WedgeONLINE 表3
これは、非常にびっくりするデータなのではないかなと思っています。このデータではBtoB輸送の物量が90%以上と言う試算がされています。素材や部品の輸送や商品の小売店舗や倉庫へ輸送だってBtoB輸送です。コンビニやドラッグストア、スーパーやショッピングモールなどすべてはこのBtoB輸送があるからこそ、棚に陳列ができます。このまま労働力が増えない場合、本当に物流が止まっていまい私たちは本当に困っちゃいそうですよね。
それではBtoB輸送が大きな社会課題として言われてますがわたしたち消費者は、何ができるのでしょうか??
実際問題ですが、
BtoB輸送の部分では、中々寄与できることは少ないんですよね。(※できないのかーい)事業者であれば長距離ドライバーになるとか運送会社を作ろうとかそもそもの労働力を増やすというアプローチはあるかもしれませんが中々厳しい。
結局、考えていくと、EC購入の仕方や受取時の対応方法の話に着地してしまうんです。
例えば、まとめ買いして、何度も配送しないようにする、再配達や置き配を推進していくようなことです。でもインパクト少ないんじゃない?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
宅配便の量は少ないといいつつも、皆さんもECに注文する量も増えていませんか?
事実、コロナ禍が過ぎ、伸び率は低くなったたものの、ECの市場は大きくなっています。
そう考えると、気にしないよりは、ちゃんと意識して行くのは重要だと思います。
ただ、みなさんに認識して欲しいことは、物流2024年問題でメディアがこぞってECに関する宅配便としていっているものは実は間接的なことであって、BtoB輸送への影響度がかなり高いということ。
次回も物流2024円問題について、書いてみようと思っていまして、上記のような現状があった上で、「消費者が考えるべきこと」、「EC事業者が考えるべきこと」をまとめますのでどうぞご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!