
屋形石灯標|広島県江田島市



屋形石灯標(D)|広島県江田島市 2021年10月22日
広島湾の沖合い、江田島北端約100mの暗礁に建てられた屋形石灯標は1904年(明治37年)に点灯開始。
灯塔は環状に花崗石をセメントで積み上げ、内部にコンクリートを充填した構造。
1983年(昭和58年)にステンレス製の踊り場を増設。
明治20年代に江田島の海軍兵学校、呉港の呉鎮守府、海軍造船部(後の呉海軍工廠)が設置され、屋形石灯標周辺は海軍の拠点となっていた。明治30年代には海軍の要請により、安芸白石灯標(明治34年)、中ノ瀬灯標(明治35年)、屋形石灯標(明治36年)、小那沙美島灯台(明治36年)が相次いで建設された。
屋形石灯標の退息所は当時としては珍しいコンクリートブロックで建設された。
昭和53年まで屋形石航路標識事務所として使用され、鯛尾航路標識事務所との統合により中国化薬株式会社に譲渡され現在も同社の倉庫として使用されている。
下部が黄色、上部の黒塗りの塗装は北方位標識と呼ばれ、標識の北側に航行可能な水域があり、反対に標識の南側には岩礁など障害物があること。また標識北側に航路の出入り口、屈曲点、分岐・合流点があることを示すIALA(国際航路標識協会)海上浮標式(B方式)の標体染色。
参考=『明治期灯台の保全』(財団法人 日本航路標識協会)、『燈光』2020年9月号(燈光会)
航路標識番号:4747
名称:屋形石灯標(やかたいしとうひょう)
位置
所在地:広島県江田島市(屋形石)
北緯:34-17-54
東経:132-28-45
塗色及び構造:黒色円すい形頭標2個(縦掲、両頂点上向き)付 上部黒下部黄塗 塔形
灯質:連続急せん白光
光度:実効光度78カンデラ
光達距離:5.0海里
明弧:全度
高さ:地上から構造物の頂部まで8.3m
平均水面上から灯火まで7.6m
点灯年月日:明治37年2月25日
管理事務所:第六管区海上保安本部広島海上保安部
いいなと思ったら応援しよう!
