魹ヶ埼灯台|岩手県宮古市
魹ヶ埼灯台|岩手県宮古市 2023年6月4日
1902年(明治35年)3月17日点灯。
魹ヶ埼灯台は本州最東端、岩手県重茂半島に設置された。現在は灯台より南西にある姉吉から徒歩で1時間ほどで辿り着くが、設置当時は北西にある重茂村からの道しかなく、日本でもっとも到達困難な灯台であったという。また4月8日のお釈迦様の日に灯台を訪れると良縁に恵まれるという土地の風説があった。
初代魹ヶ埼灯台の灯塔構造は八角形鉄造。地上から頂上までの高さ35.6mは鉄造灯台としては当時では日本一高い灯台であった。またそれまでの鉄造灯台が支柱で支えられている支柱式であったが、初代魹ヶ埼灯台は支柱を使わない自立式の新しい鉄造だった。
レンズは尻屋埼灯台で使用されていた特殊レンズで、中央のレンズ部を上下させるすることで光達距離を調整できることができた。
魹ヶ埼灯台で7年過ごした灯台守の妻田中キヨが書いた手記「海を守る夫とともに二〇年」(雑誌『婦人倶楽部 昭和31年8月号』掲載)は、映画監督の木下惠介の目に留まったことで映画『喜びも悲しみも幾歳月』(1957)が生まれたことで知られる。
初代魹ヶ埼灯台は1945年(昭和20年)8月9日と10日に艦砲射撃により灯塔が焼失し1950年(昭和25年)に再建され現在に至る。
参考
『燈光』2007年12月号(燈光会)
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