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北海道ツーリング6日目|2022.7.18

3:30に目覚めるとすでに窓の外が明るくなっていた。

雨は止んだのだろうかと窓の外に目をやった。空は灰色。道路は濡れている。しかし時折通る車はワイパーを動かしていない。雨は降っていなかった。雨さえ降ってなければ…と思った瞬間、雲の隙間に光が見えた。

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あれは青空!

そしてみるみる雲がなくなっていき、朝日が街を照らし始めた。

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昨日捨てた1日は今日取り返せるのだ。

網走市内を斜里方面に走らせる。道路の轍には昨夜が強い雨だったことを物語るように深い水溜りができている。

空は青みを増していき、轍の水たまりに反射して道路に二筋の青空のラインがずっと先まで続いていた。

左手の海を見やると雨雲を払い除けるように朝日が昇っていた。

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撮る写真ひとつひとつが絵になる。

太陽の光とは偉大だ。

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昨晩の予報では曇りであったが、こんなハズレ方は大歓迎なのだ。

知床半島は雲がかかっていたが、ここまで来たら晴天に知床横断道路を走らずに通り過ぎるなどできやしない。

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雨上がり撮影のお約束であるリフレクション。斜里岳をバックに。

そしてついにセイコーマートの「すじこおにぎり」を食す。
北海道ツーリングの朝食はいつもこれでないといけない。

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なんか失ったものを今日すべて取り返す気分である。

ということで、知床半島のウトロ側まで走らせたがあまりの気持ちの良さに写真を撮ってない。

だが途中、一枚だけ写真を撮った。

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またもGoproの設置部分がもげた。当初のセッティングからだんだんとスタンドが短くなっていく(笑)

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そして知床横断道路に。

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生まれてはじめての知床キャンプ(まだ世界遺産に登録されていなかった)で、朝イチに晴天の知床横断道路を走った時の感動を今でも覚えている。ウトロ側から入り、世界の狭まった森の中の隙間から見える真っ青な空。そして視界が開け、北方四島がすぐそこに見えるパノラマ。あの時以来、道東にきたら雨でも曇りでも向かってしまう場所、それが知床横断道路なのだ。

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今日は晴れている。ウトロ側は。横断道路は知床半島のウトロと羅臼を結ぶ山岳道路だが、この半島はまるっきり違う顔色を見せることがあるので、雲が多い時は反対側は天気が悪いことがある。

案の定、羅臼側はガスで真っ白であった。その後も沿岸部を走り続けるが、一向にガスが晴れず、映画『ミスト』のように暗く不気味であった。

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30分ほど走り続けるとガスが薄くなってきたのか、太陽の光がいくぶん周りを照らすようになり明るくなってきた。

標茶町を過ぎ、野付半島の野付埼灯台に向かう。

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 3回ほど訪れているが、晴天時は初めてだ。野付半島は全長約28kmの日本最大の砂嘴(さし)で、海流により運ばれた砂が、長年に渡って堆積して作られた地形である。この場所の只者ではない寂寞感が最高にゾクゾクして大好きなのだが、晴れているとこんなにも陽気な場所なのかと驚いた。ここは曇りか雨、夕暮れに来るべきだ(笑)

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こういう風景がたまらなく好きだ。
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野付半島から眺める知床半島。雲丸かぶりである。

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根室に向かってひた走る。
しかし、「最短距離より楽しそうな道を選べ」をモットーとしているので、道東は国道ではなく道道を走る。直線道路、空まで続くかのような道、丘を登っては降りを繰り返す胸のすくような景色は、「ザ・北海道」そのものである。

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写真ばかり撮って前に進まないパターン。
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途中、鹿がいた。
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根室に入るとノッカマップ埼灯台に立ち寄る。
ここは素晴らしかった。灯台と草原、青空と海、パーフェクトすぎるではないか。

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そして納沙布岬灯台に近づいたところでガス!もうかなり濃いガスである。

あの打ち捨てられらかのようなオーロラタワーの上部が消え、下からなにかが光輝いているように見えた。

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納沙布岬灯台もガスってた。

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 根室に来たなら食べなきゃいけないのが花咲ガニである。実は一昨年(2020年)にここに訪れた際、同席したお客さんにカニの代金を奢ってもらうというとてもラッキーな出会いがあったのだ。もちろん今回はその人はいなかった。しかしこの店では知られた人で、そのことを話したら今年はまだ来てないなとのこと。
 今年は大漁らしく、サイズも大きかった。そして相変わらず美味しかった。

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ついでに最東端

ここですでに16:00になり、根室の残りの灯台は諦め、天気が比較的マシな(雨は降らない程度)別海のキャンプ場にむかう。

途中、家族にと、お土産屋さんで花咲ガニを4杯買って送った。2000円負けてくれた。

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「めっちゃ美味しくて大好物なんですよ」と褒めまくるとちょっとよく負けてくれる。

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別海町ふれあいキャンプ場は飛び込みだったが、とても設備の行き届いた高規格のキャンプ場であった。そして歩いて3分の距離に温泉。しかも北海道といえばモール泉。モール泉とは植物が長い年月をかけて堆積した亜炭層を通って湧き出ている温泉で「黒い」湯なのだが、ヌルヌルなお湯は最高に気持ちがよく、入浴後も汗が止まらないほど体が暖まるのである。

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最後の最後まで満足の1日だった。

たまにこんな完璧な日があるからツーリングはやめられない。

何を得るには何かを失う。そう、この完璧な日を得るために、昨日1日をワザと失ったのである。

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本日のルート
網走市→知床横断道路→根室→納沙布岬→別海町

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2022年7月13日〜26日の期間中 北海道ソロキャンプツーリング中にアップした日記です。

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