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北海道ツーリング10日目|2022.7.22

 礼文島から利尻島へのフェリーが10:25発なので今朝はゆっくりしようと6:00に目が覚めた。買っておいた食パンにチューブバターをたっぷり塗り、フライパンに塗ったバター側を下にして弱火で焼く。バターの香ばしい香りがしてパンに焦げ色がついたらもう一枚。次に目玉焼きとハムを塩胡椒で焼いて、バターがしっとり溶け込んだパンに乗せ挟む。
そしてかぶりつく。半熟の卵が滴り落ちることに憂いはない。これはキャンプ飯。足元は地面である。

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 食後はコーヒーだ。
お気に入りの焙煎店で買っているグアテマラの豆を挽いてコーヒー淹れる。
 グアテマラの香りが鼻腔を優しく撫で、酸味と深いコクが喉元をくすぐる。最高のモーニングである。

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 椅子に腰掛け、コーヒーを嗜みながら「どれどれ」とスマホで明日の天気予報を見た。

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なんじゃこりゃぁ。
今日は曇り。そして明日は全道で雨。
またか…利尻島で一泊の予定だったが明日が雨だとまともに楽しめない。もちろんキャンプ泊なんてもってのほか。
 ここは無理して利尻に渡らずとも良いのではないか。
しばし考え、礼文島から稚内へのフェリーの出航時間をスマホで確認してみた。

礼文島→稚内 8:55出港

時計を見やる。
7:00

ここからフェリーターミナルまで20分。
出港1時間前受付開始だと最低8:00に着いておきたい。
するとここのキャンプ場を発つ時間は7:40
あと40分で撤収しなければならない。
 しかし目の前には朝食の調理した食器、コーヒー、寝起きのぐちゃぐちゃになったなテント内。
 しかしやらねばならぬ。

利尻島への渡島を諦め、稚内に戻ることにした。
撤収開始。

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 結局撤収には急いでも1時間はかかってしまい、キャンプ場を出るのが8:00を過ぎてしまった。
フェリーターミナルに着いたのは8:30。
出航まで30分を切っていたが、長距離フェリーとは違って結構あっさり受付して乗船。
 礼文島を慌ただしく後にした。

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 フェリー出航時に、埠頭から宿のスタッフらしき人たちが大声でフェリーに乗り込んだ宿泊客に「今回のご宿泊はいかがでしたかー」と問いかけている。
衆人環視のなかで「良かった」以外に言えない空気だ。
その後も何やら大声で旅人へのエールを送っていた。
船が離岸すると埠頭の彼らは旗を振り歌を歌って見送っていた。
 どうやら礼文島の名物らしい。
なんちゅうか、こう、島の観光業というものは非日常を無理に強調させてしまい“ノリ”がおかしいと感じるのは僕だけだろうか。

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 稚内までのフェリーの甲板に一羽のウミネコがずっと居座っていた。乗客もそれほど気にする素振りもみせないが、人がそばを歩くとトトトト…と避けているのが微笑ましい。
 飛ぶのをサボってフェリーにタダ乗りのウミネコであった。

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 さて、稚内に戻るといっても行き先を決めていない。このまま北に留まる理由ももうないので南下することは必然だが泊まる場所も決めていない。決まっているのは明日が雨ということである。
どうやら北海道日本海側北部は晴れ間があるらしい。旭川は先日泊まったのでパスし、ちょっと南の滝川なら5時間ほどで着くので距離的にも位置的にもベストだ。またその後に函館方面にするか道央に行くかの身の振り方の選択も可能である。
よって滝川のホテルを予約した。

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稚内は晴れていた。

 先日は曇天と強風で震えながら撮影した稚内灯台が爽やかな姿を街中からみせていた。

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 稚内から南下するのに晴れていたら道道106号オロロンラインを通らない選択肢はない。
 薄く曇がかかっていたものの、やはりその超弩級の開放的直線道路は何度走っても良いものである。何回もバイクを停めて写真を撮った。

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600mmの望遠レンズも引っ張りだし、先日にバッチリな写真を撮ったオトンルイ風力発電所を今回は遠方からバイクを入れて撮ったりした。
しかしツーリングのバイクは思ったほど多くなく、妙にひっそりとした印象の道道106号であった。

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 道道106号が南で終わるところにある天塩温泉夕映に立ち寄り汗を流す。
ここはアンモニア臭がする温泉であるが風呂上がりには臭いが残ることはないので安心してほしい。

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 そのまま先日ガソリン給油で高度な戦略を駆使した羽幌、苫前を通り、留萌から内陸へ向かった。

交通量の少ない里山の風景が気持ちがいい。
途中、大型のドローンを使って農薬散布をしている風景に出くわした。

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『パトレイバー THE MOVIE』で畳の部屋にパソコンが並べられた風景は、映画公開の1990年代当時、オフィスなど限られた場所で整然と置かれていたイメージのパソコンが、個人の部屋で雑然とした扱われ方をしていたのを見て、あれこそが未来のリアルな姿なのだろうかと感じた。
 このドローンを使った農薬散布には、テクノロジーの浸透はこうした日常の風景に溶け込むのがリアルな未来なのだろうと、映画も思い出しながら、この既視感の感慨に耽った。

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北竜町では「ひまわりの里」に立ち寄る。
ひまわりが一面咲き乱れる写真を撮りたかったが、ひまわりが全て東側を向いており、西日の夕方には完全な逆光となりそんなに良い写真にはならなかった。

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殆どが東側の日の出を方を向いている中、一輪だけこちらに向いているのが可愛い。

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西陽を受けつつ。

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滝川に到着してホテル三浦華園にチェックイン。
部屋に入り窓の外を見るとちょうどここ滝川から南には雲がかかり、北は晴天。その端境に宿を取ったことになる。

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なんというベストな位置どり。
滝川で正解であった。

着替えているとポケットに虫が入っていた。

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さて夕飯である。
せっかくのホテル泊。楽しみは街に出て美味しいものを食べるのである。
 この滝川といえば…。
そう、松尾ジンギスカンの本店である。
ホテルから徒歩8分の距離。
行かない理由はない。

トボトボと市内を歩く。

頭上はすでに雲に覆われているが、北には夕焼けが街に影を作っていた。

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本店は繁華街という場所ではなく閑静な場所にあった。
 ラム食べ放題コースにし、3回ほどラムをおかわりした。

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人は満腹になるとどれだけ美味しくとも飲み込むだけでも苦労するものなのかと知った。
こうして滝川の夜は更けていき、ホテルに戻るとテレビで明日の天気予報をチェックした。

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確実に雨であった。

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本日のルート

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2022年7月13日〜26日の期間中 北海道ソロキャンプツーリング中にアップした日記です。

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