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自己紹介 「小3の私がトラになった日」

こんにちは。noteの荒木です。

才能発掘プロジェクト「カクカタチ」。
スタッフ自己紹介のバトンを受け取りましたので、
書かせていただきますね。

noteはサービスが始まってまだ7年の会社です。
社員のほとんどがキャリア採用で、わたしもそのひとり。
前職では、映像作品の演出やプロデュースをしていました。縁あってnoteに移籍してからは、アーティストやタレントのサポート、メディアやプロダクションのみなさんと協力して才能を発掘する仕事に携わっています。

自己紹介をするのに何を書こうか迷いましたが、思い切って、私が小学3年生のときにはじめてモノづくりに目覚めた話を書かせていただくことにしました。私にとって、この仕事を志すきっかけになった大切な話なので少しだけお付き合いくださるとうれしいです。

それは、クラスの「出し物会」で発表する劇作品でした。7〜8人のグループ制作で、題材は...
”少年を襲って食べようとした4匹のトラが、追いかけるうちに溶けてバターになってしまうシーンが有名” な、あの絵本です。

そこがハイライトですから、なんとかして ”溶けてバターになったシーン"を表現しなければなりません。出来なければお客さん(といっても小3の同級生)がブーブー!文句を言うに決まっています。

ミーティングを重ねていると(といっても小3同士の)、
「そんなのできっこないし!」とふてくされるやつが出てきます。
「ちがう絵本を取り上げよう!」とか「だれがコレやるって決めたんだよ」と文句も出るようになります。
わたしはというと、「どっちでもいいから誰か決めて」という、我関せずタイプの人間でした。

ところがある日、
友だちの家に集まってアイスを食べ、ファミコンをし、少年ジャンプを読みながら「結局出し物どうすんだよー」とダベっていたとき、急に道がひらけました。

友だちの家の冷蔵庫の取っ手に、黄色いタオルが掛かっていたのです。

私、思わず言いました。
「これ、良いじゃん!!!」って。

黄色いタオルや黄色いTシャツ、無ければ白いTシャツを黄色く塗っちゃえばいい。もう、ファミコンやジャンプなんかより、劇の創作が俄然楽しくなって夢中でつくりあげました。ハンカチや帽子など、他のクラスの友だちにも頼んで、身の回りのいろんな黄色をかき集めました。
少々不格好なトラだったと思います。でも、本番は大大大成功でした!
黄色い衣装に身を包んだ小3のトラたちは、少年を取り囲んでぐるぐる回りながら、1枚づつ衣装を脱いで溶けたバターを表現しました。しかも全員が少しづつ裸に近づいていって最終的にはパンツ姿になる。大ウケです。

自分たちがつくったモノが評価されたそのとき、
なんとなくですが分かったことがあります。

「何を見るかじゃなくて、どう見るかが大事なんだ」

自分だけのモノの見方ができたとき、そしてそれをカタチにできたとき、
なんて楽しくて、なんてワクワクするんだろうって。おまけに、それを発表したら評価してもらえたりもする。

なんだか、気恥ずかしいことを書いてしまいました。でも...あれから何十年も経っていますが、いまも何かを作り上げるときに大切にしている考え方なんです。「自分だけの発見があるか」「自分だけのモノの見方ができているか」、必ず自分に問いかけながら仕事をしています。

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「カクカタチ」プロジェクトはソニーミュージックの佐藤さん、梅川さん、TikTokの柿澤さん、noteからは私と福田さんが主なメンバーになって運営しています。第一弾の企画として、みなさんの書いた物語をマンガにして世に送り出すプロジェクトを実施中です。締め切りは2021年9月26日(日)。
くわしくはこちらをご覧ください。ふるってご応募くださいね!

note inc.荒木俊雅

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