海で猫を釣る!その1
港に住む茶白の猫が仔猫たちを連れだし始めたのは11月のこと。
親猫の後をおっかなびっくり歩いて付いてきた。
私が傍でじっと動かないでいると、足元をちょこちょこ歩き回っては周りを探検していた。
チリチリと鳴る、スマートフォンにぶら下がる鈴を前足でちょんちょんとじゃれている姿はとても可愛らしいものだった。
現在、その頃に比べたら脚や身体はすらりと伸びて、敏捷な動きをする。
スマートフォンの鈴は猫パンチの連打で、何度もチリチリリと鳴り響く。
ズボンのポケットにスマートフォンを入れ、立った状態でうっかり鈴を見せようものなら、彼らはその爪を駆使して脚をよじ登ってくる。それは痛い。
走る速度もかなり速くなり、兄弟同士で遊んでいる時などあっと言う間に居なくなる。道路に飛び出すことも多い。
余談ではあるが、交通事故の対策として仔猫が道路に居る時には、小型のライトを点灯させて追いかける。
ライトが迫る=逃げる、を徹底的に刷り込んでいる。役に立つかはわからないけれど。
さて、大人の猫たちには「なんか毛繕いがてら撫でてくるやつ」程度にの認識かと思われるが、では仔猫はどうだろうか。
仔猫は撫でても「なにか?」と言ったご様子でじっとしておらず、すぐに遊びに行ってしまう。大人の猫の様に撫でさせるといった反応はない。
仔猫にしてみれば、得体のしれない大きい奴が触ってくる事よりも、そいつの持っている鈴にじゃれる方が重要なのだ。
触る事よりも玩具としての需要が大きいと知った私は、港へ散歩に出かける時に猫じゃらしや紐などを持ち歩くようした。
私は玩具なのだ!
こちらの決意を知ってか知らずか、仔猫もそれらの道具でじゃれ遊びをする様になった。
手を変え品を変え、仔猫たちの反応を観察していく。
そうして試行錯誤をしていく中で、私は彼女らにとって、何か遊び道具を持ってくる大きい奴と言う地位を確立していった。
散歩中や遊びの最中に鈴の音を鳴らす事も忘れず行った結果、母猫が来なくても仔猫たちだけで寄って来る様にもなった。
しかし、逆に大人の猫は遊び道具になど全く興味はない。
撫でで欲しい猫は、駆け回る仔猫を邪魔に思っている様で、撫でられながら威嚇の声を上げているのだった。
そうして手に入れた仔猫たちとの関係の中で、重要なアイテムが、
その昔カインズホームで購入した猫じゃらし(廃版)だ!
全然違う目的で購入していたこのじゃらしが中々使いやすい。
竿自体が90㎝程で糸が2mくらい伸びるので、移動の範囲がかなり広い。
三匹の仔猫と一気に遊ぶにはちょうどいい代物だ。
釣り針にあたる部分は換装式となっていて、魚のおもちゃの他に羽やふさふさした大きな猫じゃらしの様なものに取り換えられる。
専ら大きな猫じゃらしを使用している。
さてこの玩具の遊びの様子は、タイプ作業が長くなる(タイプ素人の為)ので次回へ続く事になるのです。