パネルでポン!、シャーベットちゃん、「推し」の芽生え
デーンデデーン、デーンデデーン、デデッデ、デデッデ、デッデッデン!(プォーン!!)
高校生ぐらいまでの私にとって、ゲームとはまず花札であり、水道管ゲームであり、なんかよくわからないボードゲームだったりした。ようは家にテレビゲームが無かった。親に「ゲームやってると本読む時間無くなっちゃうけどいいの?」と言われた私が自ら「じゃあいらないー」した結果であり、これに関してはなにも恨み辛みはない。
そんな私が唯一遊んでいたテレビゲームが祖母の家にあったスーパーファミコンであった。あまり多くないソフトのそれぞれにそれなりの思ひ出があるが、今回は「パネルでポン!」というゲームの話をする。
パネポンはパズルゲームで、ぷよぷよとかテトリスとかあの類いのものだ。下からせりあがってくるパネルを左右で移動させたり落としたりして、3つ以上繋げて消す。4つ以上一気に消すことで敵の画面に邪魔な棒を落とす嫌がらせができて友達が減る。先に天井に達した方が負けになる。
このゲームではプレイヤー同士での対戦モードやストーリーモードで遊ぶこともできる。このモードは主人公である花の妖精リップが敵の親玉を倒すためにステージをクリアしていくものだ。その中で、リップは洗脳されたかつての友達と戦い、勝つことで、彼女たちになってきてる「やさしい心を取り戻」させたりして、再び仲間にする。終盤ではその仲間を主人公のいわば残機的に使うこともできる。対戦モードではもちろん好きなキャラを使える。
私はこのゲームで、「推し」概念を知った。
正確に言うと、「推し」概念が人類全員に備わっているわけではないことを知った。
キャラクターの顔アイコンが写った画面で使用キャラを選ぶのだが、私はずっと「氷の妖精シャーベット」推しだった。途中「炎の妖精フレア」にも何回か手が伸びたが、女の子キャラの中でこの2人以外を選んだことは恐らく一度もない。ちなみに女の子キャラ以外だとドラゴンとフェニックスが選べるのだが、こいつらは見た目が強そうだからたまに使ってた。
家族とゲームをするうちにふと気づいた。あれ?おんなじキャラばっか選んでるの私だけじゃね? と。
母にどのキャラが好き?と訊くと、「うーん、あえていうならこの子かなあ……」って感じだった。シャーベットちゃんのギリギリsexyなミニワンピ姿を食い入るように見つめたり、「私絶対ずっとこの子選ぶから!」と鼻息荒く宣言したり、アイコン見ながら「私的カワイイトーナメント」を脳内開催して「やっぱシャーベットちゃんが一番だよ~~!^^」とニヤニヤしてるのは私だけだった。
これはパネポンという美少女まみれのゲームだからおきたことでもない。たくさんのキャラクターがいるとき、その中で一人だけに固執執着粘着する性質というのは、実は一部の人しか持っていないのだ。そしてそのような人たちがいわゆる「OTAKU」と呼ばれるようになっていくのだろう。
パネポンは公式サイトでキャラ設定が見られたり曲が聴けたりするのでぜひ検索してみてほしい。サイトを訪れて私ははじめてシャーベットちゃんがいたずら好きのおてんばででも実はあまえんぼであるという性格を知った。パーフェクトである。
やっぱシャーベットちゃんが一番だよ~~!!^^