会員様寄稿【連続小説】ラコタ(5)台湾有事は日本の有事 納涼祭 アメリカの戦線離脱…
お盆前、直人たちが駐屯する基地では納涼祭が行われていた。
基地内の広場にはブルーシートが敷かれ、隊員たちはお酒を飲みながら楽しんでいた。
皆、明日から帰省する予定でリラックスムードだ。
美嘉は店に来る女の子たちを連れて、納涼祭に参加していた。若い隊員たちは可愛い子が来て、とても喜んでいた。
「美嘉、ありがとう。みんな喜んでるよ」
「ウチはこんなことしかできやんけど、喜んでもらえて嬉しいわ」
と美嘉は微笑んだ。
「けど、ニュースのアメリカが経済制裁を解除ってなんなん」
と怒りを露わにした。
直人はため息をついた。
「日本はハシゴを外されたんだよ。アメリカもウクライナ、イスラエルに加えて台湾を支援するのはさすがに無理だ。三正面作戦になるからな。」
「これからどうなるんやろ、日本だけで」
と不安そうに美嘉が尋ねた。
「厳しいけど、やれることをやるしかないな」
と直人は静かに答えた。
そんな中、岸田首相は大きな決断をするのだった。
岸田首相は緊急記者会見を開き、国民に向けて重要な発表を行った。
「我が国はこれからも台湾支援を続ける。しかし、同時に国内の防衛力強化を図るため、防衛予算の大幅な増額を決定する。これにより、自衛隊の装備や訓練環境を改善し、国民の安全を確保する。」
「これから国民の皆さまには増税や政府計画による大増産等にご協力頂きます」
この発表は国内外に大きな波紋を呼び、特にX上では賛否両論が巻き起こった。
納涼祭の夜、美嘉は直人に言った。
「直人、これからも一緒に頑張ろうな。」
「もちろんさ。俺たちにできることを精一杯やるだけだ」
と直人は力強く答えた。
その夜、基地の広場には和やかな空気が流れ、隊員たちは一時の平穏を楽しんでいた。
しかし、中国の戦術核部隊に大きな動き、との情報が入ったのである。
続く
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