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会員様寄稿【連続小説】ラコタ(7)台湾有事は日本の有事 平和 完
期限の日が迫る中、岸田首相はバイデン大統領に電話をかけた。
「今まで台湾有事は日本の有事と言って頑張ってきたのに、この仕打ちはひどい」と岸田は訴えた。
バイデンは冷たく答えた。「こちらはウクライナやイスラエルの支援で手一杯なんだ。そうそう、さらなるウクライナへの支援はよろしく頼むよ。」
岸田は食い下がった。「それはあんまりだ。我が国はどうすればいいんですか?」
バイデンは冷淡に返答した。「自分の国のことは自分で考えるべきだ。」そして、バイデンは電話を切った。
いくら防衛費を2倍にしたといっても、中国にはかなわない。ましてや、米国の核の傘がなければ中国の核恫喝には屈するしかなかった。
今になって、岸田は散々米国に利用されてきたことに気づいた。彼は一大決心をし、中国に対して謝罪と賠償をすると宣言した。
これを受けて中国は、「恨みに報ゆるに徳を以てす」として日本の対応を受け入れた。
とにかく平和が訪れたのだ!
場面: ラコタ
ラコタでは、美嘉と直人が談笑していた。
美嘉はほっとした様子で言った。「核ミサイルが飛んで来なくてよかった。やっぱり平和が一番やな。」
直人は微笑んで答えた。「そうだな。ぬるいけどビールが美味しい。」
2人は乾杯した。直人も警戒体制が解かれ、通常勤務に戻っていた。
台湾は表向きは今まで通りだが、事実上ほぼ一国二制度になってしまった。
しかし、東アジアはそれほど大きな変化はなく、貿易も徐々に回復していった。
岸田総理の大英断により、日本はウクライナのようになることは避けられた。戦争の死者は出なかったのである。
結局身も蓋もない不都合な真実だが、アメリカがハシゴを外せば、日本は何もできないのである。
終わり