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60分の

「クァントム・アリアの碧い首」は、上演時間60分。
今まで書いたことのないスケールだ。
20分の芝居、30分の芝居、45分の芝居なら書いたことある。
それは短編というくくりで書いた。
短編、の定義は分からないけれど、予め設定された時間のスケール(ハコ)にエピソードを沿わせるよう、かなりストイックに意識して書いた。
エピソードを書いて、結果20分のスケールになることと
20分のスケールにエピソードを入れ込んでゆくことは
結果として同じ20分の芝居になったとしても、まるで違うものだ。
まるで、は言い過ぎかもしれないけど、違うものだ。
まるで、は書いた作者の思い入れだ。
(まるで)違う、と表記すべきかもしれない。

「クァントム・アリアの碧い首」は、世界の果てまで書こうと思っている。
書いて書いて書ききる、その手の・指の・延ばす先のすべてが、60分の宇宙に到達する、そういう書き方だ。
60分の宇宙の外には0.01秒の隙間もない。
そんなバカな話はないが、そうなのだ。
その方法論を、半年間ずっと探している。
あきれたポンコツだが、怠惰ではないはずだ。
愚直なポンコツ。
いいところがない。

一日中、外壁工事の轟音。
窓も開けられず、庭にも出られず、部屋は薄暗い。
すっかり元気を奪われてヘロヘロだ。
ヘロヘロの愚直。
眠りも、とても浅い。




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