本を買う

毎日、本を買う。新刊、古本、だいたい年に400冊くらいになる。その6割くらいは、読む。食事をしない日はあっても本を読まない日はない。

23歳まで煙草を吸っていた。やめたのは、当時付き合った女性が、煙草の煙アレルギーだと分かったからだ。アッサリと止めた。それまで、20本入りのピースを週に4、5箱くらい吸っていた。1箱320円くらいだった気がする。週に1200円~1500円くらい。吸うのをやめたとき、じゃあ毎週それくらいの金額が余ることになるわけだ、と思った。

余らなかった。なぜか、財布はいつもカラだった。おかしいじゃないか。煙草を買っていたお金は、どこへいったのだ。というか、むしろあの320円をどうやって日々、捻りだしていたのだろう。謎だ。

例えば、今、本を買うことをやめるとする。お金は残るだろうか。残らないと思う。消費の絶対量は不変なのだ。それはかつては火と煙、今は紙と印字だ。モクモクと消費した煙の量は、蔵書量と比例するだろう。その火種は、今も知れずに燻っている。

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