グレーな『ラストマイル』
論文を書きはじめるようになると、またあの孤独な生活が始まるのだと憂鬱にもなる。
あの、孤独な生活。私の周りにいる人たちがどこからきてどこへ行くのかを解像度高く眺め続ける生活。自分ではなく、他の人たちが動くエンジンとメカニズムを探す生活。自分の編み上げた社会へのまなざしが、どこかの誰かに伝わるんだと信じ続けなければならない生活。今立っている文脈を相手に、生き延び、自分の感覚を研ぎ澄まし続けなければならないこの生活は、とても孤独な生活だ。
論文から離れると、私は私のことだけを考