在日朝鮮人の法的地位について考える②
第二回は、在日朝鮮人の法的地位について解説する前に、今回は、外国人の法的地位について、一 般的にどのように考えられてきたかについて解説する。
簡単に整理すると、第一期→敵視主義、第二期→賤外主義、第三期→排外主義、第四期 →相互主義、第五期→平等主義と変遷の道をたどっできた。外国人は皆敵として無権 利状態におかれ、財産権ばかりでなく身体・生命の自由さえ保障さなかった第一期、外国 人をひどく卑賤視し、はるかに劣等の人間と考え、ほとんど禽獣と同一視していた第二期、 国民的利己主義の思想に基づいて外国人に特定の利益を付与することを拒絶し、かえって内国人よりも重い義務を負わした第三期、他国が自国民を優遇する程度に応じて、国益を害しない範囲内において外国人の地位を改善し、内国人の地位に近づかせるにいたった第四期、私法において内外人平等主義をとるに至った第五期と、各国の外国人への処遇は歴史的段階を経る過程で大きく変化している。
このように、外国人の法的地位は不変なものではなく、その時代の成熟度を反映しながら変遷してきた。
そして今日では、UNにおいて採択された二つの人権規約(「経済 的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」と「市民的及び政治的権利に関する国際規約」) によって、外国人の人権は内国人と同等に保障されるべきものとなり、外国人の法的地位 に対し、国際法上の制約が課せられるようになった。これは、私権における内外人平 等主義が、公権にも適用されるようになったということを意味するものである。
このような世界的な流れの中で、在日朝鮮人の法的地位を日本政府がどのように保障してきたのか、次回から詳細に解説する。
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