憲法講義第1回 はじめに
2019年現在、現政権の改憲意思は信念化されており、世代交替とともにその改正(改悪)は現実のものとなっている。
第二次世界大戦を知り、二度と戦争の惨禍を招いてはならないと誓い、平和憲法を守ってきた方々に敬意を表しつつ、その崇高な時代精神が崩壊しつつある現時点で、今一度、憲法とは何かについて、その真髄を基底として書き記すべきであると自覚するに至った。
見渡すと、改悪をよしとする意図をもって書かれた憲法解説書が少なくなく、個人の尊厳を第一生命とする近代価値に徹底的に基づいて書かれた憲法解説書は、その姿を消しつつある。そのような今、知識人の良心に従い、私たちがいうところの憲法とは何か、そして、憲法を具現した政治である立憲主義とは何かについて、概説する責務を果たすことが、自身の使命であると思い、ここに憲法講義というタイトルで、連載することにした。(つづく)
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