憲法について考える日

最近、今まで当たり前であったことが、そうではなくなるという体験を多くするようになった。とくに、社会のあり様や、正しいことに対する規範的意味付けなどが、既存の形や内容ではなくなってきていると切に感じる。
憲法記念日も然り。この日を迎える日本社会が確実に変化していると実感せざるを得ない。時代の流れとともに、平和に対する熱意や民主主義に対する要求などが、若い世代にはもちろん、既成世代中でも希薄化されていってるのではなかろうか。その現れがまさに憲法記念日。5月3日は、単なるゴールデンウィークに回収されてしまっている。学校で学んだので憲法記念日が5月3日であることは全国民が知っているが、その意味を概念的に把握している世代が果たして存在しているのであろうか。
平和と民主主義は、国民の不断な努力の結果、成し遂げられるものであり、少しでも気を抜くと、跡形もなく失われたてしまうものだ。先代達はそのことを肝に銘じろと、5月3日を憲法記念日とし、法律で、国民の祝日としたのであろう。年に一度、平和と民主主義が国民の手に委ねられてるという主権者の意思を再確認する日があるということが、どれほど誇らしいことであるのかを、後世に伝えていく責務が既成世代にあると思えてならない。
憲法条文を知っていることが重要ではない。憲法精神をもって国家と社会のあり様を洞察する力を継続して養うことが大切なのだ。多くの人々にとって、5月3日が、憲法を考える日になることを切に願う今日このごろである。

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