見出し画像

Amazonで一年間ボードゲーム出品してみた話

角刈書店のふわふわです。今日はSuper Susuru Soupのゲームデザインについて書いてみたいと思いましたが、書けなかったのでAmazonの話に変えました。

実はAmazonの出品者になって一年経った昨年末に書こうと思ったのですが、モチベーション、忙しさ、めんどくささ、ゲームマーケット春の準備とか諸々あり「書けないな〜」と思ってたところ今年は確定申告をやらなくて良くなったとTwitterで見た気がしたのと、ゲームマーケット大阪が無くなってしまいゲームマーケット春までなくなるかもしれない、そうなったら通販しないといけないけどAmazonってどうなのよ?って思う人がいるかもしれないなと思い、この機会に筆を取ることにしました。筆?

誤解の無いように記載しておきたいのですが、本記事でAmazonと呼んでいるのはamazon.co.jpのことですね。amazon.comやギリシャ神話に出てくる女性戦士の部族ではなくamazon.co.jpです。

*画像ソース: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nuremberg_chronicles_-_Amazons_XXVIIIv.jpg

有料記事に設定してりますが、意味のある部分は全て無料で書いてあります。

どんな人に読んで欲しいか?

最後まで読んでみて結局知りたいことが分からない、「いかがでしたか?」になっちゃうのもアレなのでどんな人にもしかしたら役立つかもと思って書いているか最初に書きますね。

(1) Amazonで自分が作っているボードゲームを売りたい人
(2) Amazonで販売している業者に委託しようか検討したい人
(3) Amazonとかよく分からないけど、販路増やしたいなと思っている人

そのぐらいかな....?ここに当てはまらら無い人はもう読んでも面白く無いと思いますね。Amazonの彼氏、年収、出身地、本名は...?とか書くと面白いかもしれないのですが実際そんなの知らないので。

また、Amazonどうやって使うの?っていう導入記事ではないです。導入記事は既に色々ありますし。どうやって売上を伸ばすの?という記事ではないですね。教えて欲しいぐらいです。

ここから何を書くかというと
* Amazonを一年使ってみて
* Amazonのメリット
* Amazonのデメリット
* Amazonの個人的な感想
* Amazonと不死鳥の騎士団
という予定です。文章力の関係で内容は実際と異なることがありますが、ご容赦ください。

Amazonを1年使ってみて

せっかくAmazonの大口出品で1年経ったので、その1年がどうだったかを記事にして書いていきたいと思います。

Amazon出品には大口出品小口出品というプランがあるんですよね。ざっくりいうと大口出品は月額4900(税別)円、小口出品は月額無料です。月額5000円は高い...小口一択か...?と思ったのですが、大口出品にしたんですよね。それはそうしなければならなかったからですね(*当時の角刈書店の場合は)。

大口出品と小口出品の違いは色んなところで解説されているので詳細には触れないのですが、最もネックになるのは小口出品のアカウントでは新規商品の登録ができないことです。自分で作った商品をAmazonで出品するための登録ができないと即座に詰みますね。

「誰でも出品できますよ〜!」みたいな雰囲気出してるけど正確には「誰でもお金を払えば出品できますよ〜!」なんですね。マジAmazon許すまじ。

これ実は大口出品であれば誰でも新規商品の登録できるので自分でアカウント作って登録しなくても良いんです。Amazonでの販売委託を受けているGlory's Worksさんは登録含めてお任せできるみたい。しゅごい...(語彙無

角刈書店は2018年12月からAmazonでの販売を開始しました。何も分からないまま始めてしまい赤字の月もあり、これ辞めた方が良い...?在庫なくなるまで様子みる?など思いながら続けてみたのですが、誰もが同じようになるか分からないけれども自分はこうなりましたという話はもしかしたら誰かの役に立つのかもなと思ってまとめてみることにしました。

ちょっと辛みの話を書いていくのですが、Amazon全然辛くないよと感じる方はたくさんいると思います。最初から人気の商品があるとか、定番ゲームがあるとかで毎月ある程度の個数が売れているとか。

あくまで角刈書店という零細団体がやってみた結果ということを頭の隅に入れて読み進めていただけますと幸いです。

画像1

1年間の収益があった月の売上の割合を出すとこんな感じでした。合計金額書いてない虚無のグラフなので実はあんまり重要じゃないんですけど、グラフにするとなんとなくちゃんとしてる感が出ますね。(すいません...

注目して欲しいものはグラフにはないんですね。2月と5月の売上に注目なのですが、そんなものはこのグラフに無いのですね。何故グラフ乗らないのかというと赤字だからです。

振り込まれる金額はアマゾンの月額アカウント料、手数料、広告料(あれば)を引かれた後の金額です。なので売上がそこに到達しないと振込が無い....だけではなくて請求が来るんですね。そりゃそうだろと思うかもしれないのですが別に売上が完全に0とは限らないんですよね。なので在庫は倉庫から減るさらにマイナス分の請求が来るということが起きます。

更に注目なのが3月、4月ですね。振込あるのでプラスに見えるのですが、赤字なんですよね...売れた分のゲームの原価と送料(今はラベルの手数料)がかかるので振り込まれた金額がそれを超えていないと在庫は減るけど赤字が増えるっていう不思議現象が起きるんですよね。

一度問屋さんから「Amazon辛く無いですか?」と聞かれて「辛いです」と即答しました。Amazon辛いです。何故続けるのか?その謎を探るべく我々はアマゾンへと向かった。

ちなみに大口出品で辛いという話をしていたのですが、大口出品から小口出品にするのも可能みたいですね。やったことないですが。

で、どうなのよAmazon?

グリーンダヨ!イイヨ!と全力では推せないのですが、悪く無いと思います。

低空飛行を続けていて最初は赤字だったのですが、売り上げが少しづつ出るようになり総合的に黒字化出来ているので現状はまだ続けて良いなと思っています。

黒字になってないと続けることは難しいのですが、黒字化していなかったとしても続けたいなと言う気持ちがありました。それはAmazonが一般層にも通じる通販サイトだからです。ゲームマーケットやボードゲームショップに行かないような人たちでもAmazonなら知っているし、使いやすいのでとても重要な販路になっていると思います。

メリット

使ってみて感じたメリット書いていきたいと思います。

ねぇ知ってる?Amazonは優秀な販路なんだよ?


皆さんご存知ないかもしれないのですが、Amazonはめちゃくちゃ優秀な販路ですね。(迫真
そんな当たり前のことを何故思ったのか?

(1) 少ない手間で出品可能
これは他のところでも同じことが実現可能なのですが、倉庫に在庫を送ってヨロ(`・ω・´)スク!と言えるのが少ないリソースで販売してる人にはめちゃくちゃ助かりますね。送り方や、ちゃんとシュリンクされていないといけないとか諸々のルールがありますが、そこさえ抑えてしまえば販売はめちゃくちゃ楽ですね。
海外発送が使用可能なのもありがたいですね。アメリカの知人によると送料も手頃なので頼みやすいそうです。

(2) 旧作も新作も回る市場
ゲームマーケット三回出展してみて思うのは前回の新作の売り上げがめちゃくちゃ下がる〜〜〜ってことですね。いやもう本当笑っちゃうぐらい。新作として発表した時に比べて、半年後はびっくりするぐらい下がっちゃう。

もちろん人気のゲームとかゲムマ以外での購入が難しいなど「ここで買わないといけない理由」が強く出てるゲームはそんなに影響でないのかもしれませんが、角刈書店が出したゲームはすべて初回のゲムマと二回目のゲムマで販売できる個数がだいぶ下がりました。具体的には初回の売れた個数の1/5が二回目以降のゲムマで出る感じですね。ゲームの面白さは全くかわってないので不思議に思ってしまうのですが、買う側としてはやはり新作見てしまいますよねー。

これはゲームマーケットに限った話ではなくて、委託をお願いしているお店もそうなんですよね。ゲームマーケットで新作として出した後しばらくはお店に置いてもらえるし、追加注文が来たりもするのですが、売れている数が徐々に減っているのを見るとこの注文が最後なんじゃないか...?と戦々恐々しています。

Amazonでしばらく販売していて気付いたのですが、Amazonは旧作も新作もコンスタントに出るということですね。これはめちゃくちゃありがたいです。やはりゲームショップさんに卸しているとどうしても新作以外の売上が下がっていってしまうものですが、Amazonで購入される方は「新作」よりも目的に沿ったゲームを探しているように思います。

(3) 自分でコントロールできる販路
ちょっと(2)の話と被るのですが、自分たちで売るものが決められる。即ち新作だけじゃなくて旧作も売りたいとか、旧作だけしか売らないとか、角刈書店はやってないですがタイムセールや割引を行えるといった自由度の高い販路を作ることができます。角刈書店は生まれた時から風前の灯みたいな体勢なので何かあるとすぐ限界がきます(白目)
作品がお店から消えてしまい全く出なくなってしまうみたいなことが起こってしまった時に次の販売イベントまで生き延びないといけませんが、今回のゲームマーケット大阪のようにイベント自体がなくなってしまうこともあるかもしれません。そういった事態の為にも一つは自分でコントロール可能な販路を持っておくことが重要かと思いました。これは多分boothでも大丈夫ですね。

(4) 太い販路
ボードゲームを買うことだけに限れば他では売ってるけどAmazonで買えないものもたくさんあるので、一強ではないと思うのですが様々な客層にリーチできるオンラインストアだと思います。2019年で2~5月まで冬の時代というか赤の時代があったにもかかわらず角刈書店が2019年に得た収益の18%がAmazonからでした。これは最も多いゲームマーケットに次いで2番目に高い割合です。R&R Stationさんとイエサブさんに委託をしており沢山販売していただいてるのですが、二つを合計すると凡そ10%です。なので委託販売している分の凡そ180%の収益をAmazonから得ました。これは諸経費を引いた後の値です。Amazon辛〜って冒頭に書きまくってましたが、Amazonからの収入がなかったら心折れてたかもしれない。ごめんAmazon。ありがとうAmazon。

デメリット

(1)コスト
やはり一番大きいのがコスト面の負担だと思いますね。具体的に何が請求されるかというと以下の三つです。

手数料:  月額 5,390 + 個数毎の手数料
フルフィルメント費用: 個数毎の送料
公告費用: 広告を出せばかかる費用
在庫保管手数料:保管期間を一年超えた在庫にかかる費用

花と吹雪の例で言うと一個あたりの費用は以下の通りです。これは見積もりの写真なのですが、実際この額が請求されているので見積もりはかなり正確だと思います。

画像2

定価2,500円で入ってくるのが1,846円なのでおよそ売値の73%が一個あたり入ってくるのですが、それ以外の費用がかかってきたり、赤字月があったりすると全体的な割合は余裕でもっと低いものになりますね。超余裕。

(2)アマゾン依存
何をするにせよ一つのツールに頼り切ってしまうのは良くないので特にAmazonに限った話ではないのですが、ちょっと思うところがあったので書いておこうと思います。

昨年の10月だったと思うのですが、Amazon側で商品にラベルを貼るようになり一個あたり20円の手数料が追加で取られるようになりました。それによって売る側の負担が軽減されたり、利益が出ることは今の所ない認識です。

また「花と吹雪」が検索結果に表示されなくなるということがあって連絡したのですが、諸々のやりとりの後に「検索ロジックについては説明できないので"ボードゲーム  花と吹雪"で検索して欲しい。他に解決したい問題はあるか?」と言われ他のが衝撃でした。他の問題ではなく、現状検索に出ないのが問題と伝えたのですが、結局その問題は返答済みということで取り合ってもらえずに検索に登録したキーワードで引っかからない時期がありました。その次の週には「花と吹雪」で検索できるようになりました。今でも出るようになったり出なくなったりします。

無料のサービスではなくて月々利用料を払い手数料を払い、なんなら個人的にめちゃめちゃ利用してる(関係ない)のにそれはないんじゃないの???と感じたのですが、今は別にAmazonでの販売を辞めないといけない状況ではないけれどもこのまま販売を続けて売上が多くなったらAmazonを辞めるのは難しくなるな〜と思いました。

ラベルの件も検索ロジックの話もそれ単体では大きな問題ではないのですが、プラットフォームを使う側はプラットフォームの恩恵を受けると共に、依存していってしまうということを意識しなければいけないなと思いました。ラベルの手数料が上がっても死なないし、検索結果に数週間でなかったけど耐えられた。いずれ耐えられなくなる変更が来るかもしれない。その時にAmazonでの出品を辞める=収入が無くなってゲームオーバーにならないように注意したいですね。

Amazonの感想

Amazonは良いプラットフォームだと思います。本当に顧客至上主義を重じているのですが、その分セラーには厳し目ですね。出品はすることができるけれども出品したことにより顧客やAmazonが損を被ることが無いような枠組みになっています。
多少安定したペースで出るようになるまでは辛い時期が続くかもしれません。角刈書店は最初から安定した個数が売れていたわけではないので、辛い時期がありました。ゲームの数が2種類に増えてから安定し始めたところもあるので、何種類がゲームが出てからAmazonで出品するのも良いかもしれませんね。
スケールしやすいし、大きな費用がかかる訳ではないので販路を伸ばしたいとか、手に入りやすくしたいと言う方にはオススメできると思います!売れるペースによっては販売にかかる費用が変わってくるので原価率結構高くて60%超えてしまっていますみたいなところはAmazonで売る価格を高めに設定して最低でも原価率が販売価格の50%になるようにすることをオススメします。何故なら場合によっては60%ぐらいしか手元に残らないことがあるし、原価を相殺してトントンぐらいになってしまうと新作や再印刷の費用を捻出する時に辛くなってしまうかなと思います。

いかがでしたか?

今回はAmazonさんの恋愛事情、出身地、年収について調べてみたのですが分かりませんでした!読んでくださったみなさんとAmazonさんに幸せなことがあると良いですね!

冗談はさておきAmazon出品しようかどうしようか迷っている人の何かしらのお役に立てたら嬉しいなと思います。

もし気に入っていただけたらサポートしていただけるとありがたいです!
金額的なサポートでも嬉しいのですが、今度ガムトークというものを出すのでお題に沿った話を #ガムトーク のタグ付きでツイートして頂けるとめちゃくちゃ嬉しいです。最近巷ではハッシュドタグと言って「井」を使うのが流行っているそうですが、#でお願いします。

では無事ゲームマーケット春が開催されることを祈って肉の写真を載せておきます!皆さんも健康に気をつけてお過ごしください!

画像3

ここから先は

15字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?