下妻物語履修者に捧ぐ茨城

逃げるように栃木を去り茨城へ向かう。のほほん旅行のつもりがここ最近逃げてばかりだ。
次こそは平和な旅を…なんて言うとフラグになりそうなのでもう何も言わない。黙って食べて黙って楽しむぞ。

茨城といえば納豆大仏水戸黄門。大仏はやめておこう。さわらぬ神に祟りなしだ。

ヤンキーが多いとも聞くが、調べているうちに面白い知恵袋の回答を見つけた。


Q.茨城にヤンキーが多いのは何故

暴走族などは田畑から現れます

なんということだ。里地里山は豊かな生態系だけでなくヤンキーまで育むのか。このアンサーを書いた人とは是非友だちになりたい。

この回答で思い出したが、茨城といえば下妻物語じゃないか。(知っている人いるかな)

納豆かー畑の肉食べるなら普通の肉食べたいよなとか思っていたが少しだけ期待値が上がる。
ゴスロリいないかな。土屋アンナ似のヤンキーにならボコボコにされるのも悪くないな。

るんるんで茨城に足を踏み入れ、どう足掻いても視界に入るサイズの大仏とは決して目を合わせないよう注意しながら納豆と美人ヤンキーを探す。

納豆は腐るほど、いや発酵するほどあるけれど、美人ヤンキーはなかなかいない。

納豆はさすが本場、藁に包まれた宝物のようだ。この藁がアンモニア臭を吸収するため香りはキツくなく、豆の香ばしさとうまみがギュッと詰まっている。納豆だけで十分おかずのメインを張れるうまさだ。ごはんおかわり!新潟米以外で!!
いくらでも食べられそうだがこのまま納豆を食べ続けると腸内フローラが納豆菌一色になりそうなので、とりあえずご馳走様をしてまた歩き出す。

皆さんお気付きだろうか。

なんと今、
退屈な旅をしています!!

退屈がこんなにも素晴らしいなんて。神様、もう撮れ高とかわがままは言いませんのでどうかどうか、最後まで狂わず誘われず平穏な旅を…

平和を噛み締め田園地帯のど真ん中を歩いていると、後ろから声が聞こえた。

「あ!うんこ踏んじゃった」

こ、この台詞はまさか、深キョン…?!
期待を胸に振り返るとそこにはゴスロリの

50後半と思しきおじさん

私は振り返った遠心力で一切減速せず、360度回転して定位置に戻った。

え、おじさんだったよね…?
レースとすね毛のマリアージュだったよね…?

うんこ踏んじゃったのは深キョンだからギリ可愛いのであって、あなた今うんこ付いたおじさんだよ?大丈夫?

「オメェ何回うんこ踏めば気が済むんだよ」
背後で何者かがフリおじに話しかける。
土屋アンナなわけはない。今振り返ったら後悔すること間違いなしだが確かめずにはいられない自分がいる。

「ロココ時代のおフランスにはうんこなんか落ちてないんだもん」
ロココ時代のおフランスにはふりふりのおじさんもいなかったと思うよ。というかフリおじ、声だけ聞いていると深キョンだな。いや、深キョンにうっっすらクロちゃんが混ざってるな。

中途半端に情報を持っているせいで、脳内ではフリおじと特攻服の土屋アンナによる会話が繰り広げられている。見たい、見たくない、見たい…!

「それより今日の撮影はどうしたの?」
「あ゛?やってられっかよ。バックれてきた」
「も〜〜、また?」

やめろ、脳内がどんどん深キョンと土屋アンナになっていくじゃないか!片方はゴスロリのおじさん確定だぞしっかりしろ私!

いやでも撮影って言ってたし、深キョンはなくとも土屋アンナは意外とあるか…?!

一縷の望みをかけて振り返るとそこには特攻服の

ゴリゴリマッチョ!!

そんなことだろうと思ったけどマッチョが過ぎる。特攻服ノースリーブだし。声は土屋アンナなのに…!

「月刊ボディビルの編集さんまた家来るじゃん」
「茶でも出してやれよ。あとねるねるねるね」

青リンゴ味ね。ってちがーう
撮影ってボディビル誌かい。そんで表紙かい。

もういい。納豆食べたし茨城なんておしまいにして次行くぞ次。

「おいおい嬢ちゃんたち、昼間っから田んぼど真ん中でなにやってんだい」

「い、一角獣の龍二…!」
一角獣…?あああのリーゼントか。
はいはいどうせ全然ちがうやつなんでしょ

え、阿部サダヲいる


そこ本物なんかい
私はずっこけ、その拍子にうんこを踏んだ。


今日のネタが終始わからなかった人は是非、実写の下妻物語を観てほしい。名作だから


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