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100人の前でソロギター演奏したら手が震えすぎて演奏中断してしまったという大失敗談

2023年12月22日金曜日

僕の勤める会社Fusicの設立20周年パーティ兼忘年会での余興。

100人を前にしたステージで1人でギターを構えた僕は、1曲目の演奏を始めていた。やり慣れているはずの曲なのに、イントロからAメロ、Bメロと進行しても、緊張による手の震えを止めることができなかった。

ソロギター演奏だから、他の誰も誤魔化してくれない。自分が弾き続けないと演奏は続かない。

メロディを一緒に歌ってくれる声やがんばれ…がんばれっ…という声が最前列から聴こえてくる。

これ以上は無理だと思った僕は、ついに途中で演奏をやめてしまった。音楽を始めてから初のことだ。

とっても恥ずかしい姿を、普段一緒に働く仲間の前で僕は晒してしまった。

数ヶ月前

余興の募集が始まったのはその数ヶ月前の頃だったか。ギター弾けるなーと思いつつ、そんなスベるリスクがあることやめておけと理性くんに言われて、もっともだと思い、応募は数日間見送っていた。

でも、本能くんが囁く。「知っている人たちの前の演奏でしょ?ホームなわけだから、誰も知らない人の前で演奏するようなカフェライブと違って、別に緊張してるーとかぶっちゃけちゃって良いんじゃないの?いけるんじゃない?」。

思いついてしまったら、やらないという選択肢をなかなか取ることができない性分で。「道が二つあったら、茨の道の方を選ぶ」とかそういう高尚な行動指針なものはなく、ただ心の赴くままにしているだけ。いや、なっちゃっているだけ。こうして、僕はやんちゃにもソロギターの応募をしてしまったのだ。

「良い緊張」と「悪い緊張」

この1ヶ月前の11/19日曜、カフェでソロギター演奏をした。自分の中では思ったよりも上手くいって少し自信を持った。

さらに、2週間前の12/10日曜には、僕はバンドでステージに立っていた。

この2つのステージで、オリラジ中田さんの言う「良い緊張」と「悪い緊張」を掴んだ気がしていた。

前者のカフェでのソロギターは準備をたくさんした。「準備したことが出せるかな」と前日から本番までにドキドキが高まり、本番は気持ちよく演奏できた。一方、会社のバンドのライブはあまり準備に時間をかけられなかった。「やばいやばい」という焦りはありつつ前日から本番直前まであまりドキドキしなかったが、本番で一気に緊張が高まって、後味の悪い演奏になった。

だから今回はカフェ演奏の時のように「良い緊張」になりますようにと、できる限り時間を確保して練習に励んだ。挑戦した時点で半分成功しているようなものだ、だってこの日のために練習したから、フレーズ、運指の改善もできたでしょ、などとExpressive writing的なこともして、心の整理も怠らなかった。

前日からいい感じに緊張が高まってきている。リハでも、カフェライブ同様、割と普段通り弾けて、このステージで演奏するイメージもできた。きっと今度は良い緊張でいいステージができるはず…。

しかし結果は。
冒頭のような大失態を晒してしまった。

十八番のつもりだった1曲めの途中で演奏をやめた。

与えられた15分のステージ、このまま何も演奏できないのでは…ということも一瞬頭をよぎった。恐ろしすぎた。

今回は、緊張をうまく味方につけることはできなかった。一筋縄ではいかないものなのかなぁ。こんな簡単に解決するものであれば、世の中の人は緊張に悩んでいないよな。だってあのマエケンだって緊張するんだから!

仕切り直して

Bメロの途中で演奏をやめた僕はすぐに、仕切り直してまたAメロから演奏を再開した。手の震えは弱まっていて、最後までなんとか演奏できた。この辺のことはあまりよく覚えていない。

そして、2曲目。1曲目よりも演奏時間が長く、技術的にもより難しい曲だったが、割と予定通り演奏できた(と思う)。

100人の前でど緊張していることを晒し、演奏中断してしまうという大失態を演じたものの、全く演奏できずにステージを降りるという最悪の事態は免れることができた。

でもその後、恥ずかしさと悔しさで自分の席に戻ることができず、余興関係者控え室に閉じこもってしまった。自らが醜態を晒しただけでなく、それまで完璧に進行していた会社の大切な記念パーティーにごめんなさいと思った。鉄壁の幹事陣や、この日をより特別な気持ちで迎えているに違いない役員のお2人に大変申し訳なく思った。

そして、一緒にステージに立ったGibson ES-275くん、DV Mark Little Jazzくんにも申し訳ない気持ちだった。君たちに情けない思いをさせてごめんよ!

閉じこもった控室は、幸いパーティーの続きは見ることも聞くこともできる場所だったので、ギターを抱えてさっき演奏した曲を練習しながら、パーティーを遠くから見ていた。

今回の挑戦のfruits

パーティー終盤になっていよいよ皆のところへ戻らなくてはいけなくなった。何人かの優しい人が僕に温かい言葉をかけてくれた。「えっと、僕のあのボロボロな姿忘れちゃった?」と聞き返したくなるくらい、褒めてくれた人がいた。幹事の方々も何一つ嫌なことを言わずお疲れ様でした、ありがとうございましたと言ってくれた。嬉しかったというか、なんというかありがたかった。おかげでこの日はぐっすり眠れそうと思った(実際にはAM3:30くらいまで寝られなかった笑)。僕はこの優しい人たちを覚えている。全員絶対に忘れない。絶対に忘れないぞ!

そうしてギターケースを背負って、アンプとエフェクターを積んだちゃっちいキャスター(DAISO製)をゴロゴロと転がして会場を後にしようとした瞬間、僕のところに小走り気味で駆け寄り、声をかけてくれた人がいた。

その1人だけ、ぶっちぎりで有名人だし、悪いことや秘密なことを書くわけでもないので、実名を出してもよさそうという理由で、ここにメモしちゃいたい。

社長の納富さんだった。納富さんは次の瞬間、なんと僕に右手を差し出してくれたのだ。「ありがとう。僕の両親も感動してたよ」と。僕がステージで手が震えてたことや演奏を中断してしまったことなど、何もなかったかのように。納富さんと握手をさせていただいたのは初めてだったかもしれない。

僕はギター、音楽を通して、人の優しさのありがたさを痛切に感じた。音楽は本当に僕に色んなことを学ばせてくれる。大切なことを教えてくれる。僕も人に優しくありたい。

いよいよギターが嫌になるのか?

いつかステージで恐怖体験したら、最悪の事態として、もうギターなんてやめてしまおう、音楽なんてやめてしまおうと思うのかな、と想像したこともある。

けど、今回の体験を経てもなお僕はギターと距離を置こうとは思わないみたいだ。むしろその週末もっと練習した。もう悔しくて、悔しすぎて、次はどうやったらうまくいくだろうか、なんてことを考えている。

そして、本当はこういう演奏をしたかったんだと弁明するための動画を撮った。

もっと上手くなりたい。
もっと弾きたい曲もある。

いつかES-275くん、Little Jazzくんにも誇らしい顔をさせてあげたい。待っててね!

いや、僕にサポートだなんて...僕にお金渡されても楽器に使ってしまうので、、、あなたのお金はあなたのために使ってくださいw