scene1.
私が余命宣告をされてもう2年11ヶ月。
あと1ヶ月のこの体で、一体何ができるのか。
考えることにも時間が奪われていく。
この3年近く、ずっと考えてきた。
神様なんて、ホントにいるのかな。
もうわかんなくなっちゃった。
私だって願ったよ。「神様、お願いします。」って。
結局そんなことしても、変わんなかった。
今までより少しずつ体が壊れていくの。
薬も点滴も増えて、食事も前よりちゃんと食べれなくて。
細く、青白くなり始めた腕を見たとき、泣きそうになった。
もう、何も叶わない「息をする屍」になり始めてるって気づいてしまったから。
もうこんなになっちゃったけど、神様は私に何かしてくれたのかな。
生きてるだけマシって思うこともしんどいよ。
だって、生きてても、生きてる気がしないもの。
神様、私は何か悪い事をした?
なんのためにわたしを選んだの?
ワガママだけど、私ももっと皆と同じが良かったよ。
皆と同じくらいにな何かちょうだいよ。
でも、ひとつ思いついた。
神様がくれた物。
死にたがりの子と出会ったこと。
最初は「もう何も願わない」って顔をしてた人が、私と出会ったときより笑うようになったの。
私のおかげで生きるのが少し楽だって言ってくれたの。
すごく嬉しかった。幸せだった。
でも、そんな気持ちとは別で考えちゃった。
彼は、私が死んだ後、どうなるんだろうって。
死にたがりの彼は私の代わりに生きてくれたりしないかな。
頼んでも、断られるのかな。
私にとっての「生きたい」はきっと、
彼にとっての「絶望」で。
きっと本気の「生きて」は彼の心を殺してしまう。
あーあ、悔しいなぁ。
「私」がちゃんと生きたいよ。
彼と2人で生きれたら、
彼にまた数ヶ月後、数年後も「おはよう」って言いたい。
彼の「おはよう」をあと100回聞きたい。
もっと、もっと生きれたらいいのに。
生きれる世界があったら良かったのに。
生きれる強い私がいたら良かったのに。
そしたらきっと、
きっと、
あと1ヶ月、
私の心臓が止まるまで、
神様、ワガママはもう言いません。
どうか、私の「残り」と、彼の「これから」を
見守っていてください。
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初めまして、夏野瀬。です
今回は創作小説的なものを書きました。
もしかしたら、誤字・脱字があるかもしれません。
約3年前、謎の病気が原因で余命宣告をされてしまった少女のお話になっています。
残りの1ヶ月、少し不自由な体と時間で圧迫される不安や「死」に対する恐怖、途中で出てきた「彼」への思いを抱え、彼女はどう過ごすのでしょうか。
「彼」について、主人公である私は大切な人となっていますが、友達の感覚です。
恋人や兄弟ほど仲良くはありませんが、次第にお互いの生きる目標となっていたようです。
このあとのお話や、彼視点のストーリーについては、思いついて書き起こす気になれば投稿しようと思います(確率は低いです)。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
少しでもいいなと思っていただけたら嬉しいです。