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マンチェスターユナイテッド23-24シーズン展望
レッドデビルズにとって昨シーズンは及第点以上のものだったのではないだろうか。エリック・テン・ハーグ監督は初年度にしてカラバオ・カップに優勝し、FAカップでは準優勝、プレミアリーグも3位という成績でフィニッシュした。
もちろんサー・アレックス・ファーガソンの頃を知るサポーターにとっては、まだまだ物足りない結果とクオリティかもしれない。しかし21-22シーズンの頃に感じていた閉塞感に比べれば、今のユナイテッドには明るい可能性を感じる。
シーズン序盤の罰走事件やクリスティアーノ・ロナウド問題、そして覚醒していたラッシュフォードでさえも、ルールを破ればスタメンから外すなど。テン・ハーグのチームマネジメントは見事なものだった。
結果的には、そのような対応によってチームの団結が生まれ、ガルナチョのような若手も躍動したことを考えると、テン・ハーグの判断は正しく、チームには新たな規律と競争意識が生まれたのではないだろうか。
また、プレシーズン中にはキャプテンをハリー・マグワイアからブルーノ・フェルナンデスに変更するといった決断もあった。昨シーズンから出番を失い、サポーターをはじめSNS上での信頼も低下しているマグワイアをこのタイミングでキャプテンから下ろすことは、今シーズンを戦い抜くためにも必要な決断であるように思える。
今日までの移籍市場で獲得したのはメイソン・マウント、アンドレ・オナナ、ラスムス・ホイルンドの3選手。もちろんこれから更なる補強があるかもしれないが、ひとまずこの3選手がいかにユナイテッドに適合し得るかどうかが、今季のユナイテッドの明暗を分けるだろう。
メイソン・マウントの役割はブルーノ・フェルナンデス頼みの攻撃からの脱却だ。もちろんブルーノ・フェルナンデスはあらゆる面においてトップレベルだが、シティやアーセナルと優勝争いをしていくことを考えると、ブルーノ・フェルナンデス個人に頼りきったチャンスクリエイトでは限界がある。
アンドレ・オナナにはデ・ヘアの後釜という大変な重圧がのしかかっているはずだろう。前守護神はビルドアップにこそ難はあれど、シュートストップに関していえば欧州トップクラスだった。ユナイテッドのサポーターもデ・ヘアのようなスーパーセーブを期待していることは間違いない。オナナの持ち味である足元の技術は十分な戦力ではあるが、GKのスーパーセーブなくしてプレミアリーグの優勝は難しい。
そしてラスムス・ホイルンドには即戦力になってもらう必要がある。まだ20歳という若さだが、今のユナイテッドには彼をじっくりと育てることができるほど、CFの枚数に余裕がない。アントニー・マルシャルは度重なる怪我によって稼働率が著しく低く、プレシーズンマッチではジョイドン・サンチョがゼロトップ的な動きでCFのポジションに入るということもあった。サンチョの動きが悪かったというわけでもないが、やはりシーズンを通して純粋な9番タイプがいないというのは厳しいはずだ。難しいミッションではあるが、彼にはユナイテッドのCFとしてチームに更なる得点力を与えてほしい。
彼ら3人が現チームに融合し、エリック・テン・ハーグ監督の戦術と哲学がよりチームに浸透すれば、今季のユナイテッドは優勝争いにも食い込むだけの力は持っているはずだ。