ゆうま

音楽の中にいるのが何よりしあわせ。今は海のそばにいます。

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最近の記事

ふ、とうこう

うれしいことがあるたびに、やさしさを深く受け取るたびに、思い出さなくなった水底の記憶がふと浮かび上がって悲しくなってしまう。 ささいなことに悲しんでしまうことを悲しんで、罪悪感を持つことに罪悪感を持って、動くたびにひとを傷つけてしまうと一歩も動けないような時間を過ごしたこと、思い出さないだけで覚えているし、まったく忘れていないのだなぁ、としみじみと驚く。 うまく言葉にならないな、と言葉にしなかったけれど、言葉にして残したくもないなぁと思ったけれど、言葉にすることは手放す…

    • 短編小説 『夏を待つ』

      ソウ、と音を立てて風が吹きすぎる。 つかの間熱をさらわれた皮膚の感覚が、肺まで支配して胸が空く。7月だ。じり、と湿気のベールを通して照りつける陽は、夏と呼ぶにはまだ弱くて、じれったいような、それでいて、まだ待つ楽しみが残されていることに安堵するような。本当に、なんと7月なのだろう。正しい、夏を待つ季節。  § § § 私は伯父が好きだった。 空に漂う雲のようにつかみ所のない人だった。幼い私はよく伯父にまとわりついては、日がな一日他愛ない会話や突拍子のない物語に費やした。伯

      • 海よりも前の話②

        乗馬を習いはじめてしばらく経った頃。 今日、遊魔さんはズイセツ号です。と、その日のパートナーとなる馬の名前が発表された。 通っていた乗馬クラブは、レッスンの少し前にどの馬と組むかが決まる。たくさん馬がいるから、たいてい、はじめましてになる。 ズイセツ…ズイセツ…渋い響きだな… と思ったあたりで、ズイセツさんの前に着く。 たてがみも身体も、全体につやつやと濃い茶色で、大きな目にふさふさのまつ毛。やっぱり何度見ても大きいなぁ…と近づいたところで、額にふわりと散ったいくつか

        • 海より前の話①

          海辺で考えたことを書きたいな、と思ってnoteをはじめたのだけれど、海辺に来てからの一年以上、ぼんやり脈絡もなく奔放に考え続けてきた時間が膨大すぎて、やはりうまく言葉になってくれないなぁ…と思いながら書いたり消したり途中で保存したりして欠片だけが積み重なっている。 たぶん、形になるものしか形にはならないし、書けるものしか書けないのだな、と諦めて書きたいことから書いていこう。と、いうことを、飽きるほど何度も確認しつつ、書くことをやめないでいたいと思う。ゆるりと。 海について

        ふ、とうこう

          海へ、

          海の傍に引っ越してきて以来、おおよそ毎日海辺を歩いている。朝に、昼に、夜に。寝る前に。 とにかく、ひどくお天気の悪い日でなければ、ほとんど毎日、時間があれば1日のどこかで、一目でも海を見たいなぁ…というような心持ちでいる。 住んでいる部屋は少し高台で、カーテンを開けると遠くにちいさく海が見える。晴れた日には、早くおいで、という目配せのように波がきらめいて、窓を開ければ大抵はすぐに海から吹く風が部屋に訪れる。風が強い日は窓を開く瞬間にもう、微かに海の匂いがする。その風に触れて

          眠れないな…と思ってぼんやりしていると、ふと枕元に月の気配…という日がたまにある。今日も、きっと振り向けば今頭上にある。差し込む月明かり…身体を起こして姿を見たい気もするし、温まってきたから動きたくない気もするし…なんとなく、ふふふ、と嬉しくなる。写真は数日前の月。

          眠れないな…と思ってぼんやりしていると、ふと枕元に月の気配…という日がたまにある。今日も、きっと振り向けば今頭上にある。差し込む月明かり…身体を起こして姿を見たい気もするし、温まってきたから動きたくない気もするし…なんとなく、ふふふ、と嬉しくなる。写真は数日前の月。

          そこここで春の気配がして、嬉しい今日この頃です。

          そこここで春の気配がして、嬉しい今日この頃です。

          あいうえお【題】

          言葉の練習をしよう。 と、noteをはじめてみたものの。 きっかけがないと書かないな、と気づきました。あいうえお、五十音を頭文字にした言葉をお題として、思いついた順に書いて行くことにします。 …あとで並び替えたりできたらいいな… 書く前に調べたらいいのに…と思わないこともないけれど、もう、とにかく何より書きはじめることを最優先に。 書くぞ。

          あいうえお【題】

          言葉に慣れるために

          noteを書くことにしました。 何から書こうか、どう書き始めようか…年初に始めようとしてからタイミングを逃し続けたので…ふとぼんやりした深夜にひとまず始めてしまうことにします。 記憶や思考を言葉にすること、言葉にしようとすること、その練習を目的として。 ひとまず、 ①推敲はしない ②書いたら必ず出す ③内容も分量も頻度も自由 ④書きたいと思ったことを書く というルールで、できるだけ書くことに慣れることができたらいいなと思っています。 いつも、うまく言葉が出てこなくて、

          言葉に慣れるために