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自分自身を把握する〜具体的な作業〜

自分自身を把握するために、

自身の長所と短所を知る
自分は本当は何がしたいのかを知る
自身の性質を知る

という3つのことをする必要がある旨を「自分自身を把握する
にてまとめた。
では、具体的にはどんな作業が必要だろうか。 
いろいろ方法があると思うが、いくつか例を挙げてみる。

自分史をつくる

この作業をすれば、上記3点のすべてにおいて役に立つと思われる。
特に、

自分は本当は何がしたいのかを知る
自身の性質を知る

ことに役立つだろう。

自分史をつくるにあたって参考になりそうな書籍をいくつか挙げてみる。

➀ハーバードの自分を知る技術
(ロバート・スティーヴン・カプラン 福井久美子訳)

自分自身を把握する」において大いに参考にさせて頂いた書籍だが、
自分史をつくることについても多少触れられている。
自分史をつくる目的を見失わないという点がよいと思う。

➁超自分史のすすめ
(三田誠広)

自分史の書き方について概要をつかめる内容になっており、
読み物としても読みやすい。

この本では自分史をつくることで得られるものを次のように表現している。

書くことによって、あなたはあなたの人生を、もう一度、たどり直すことになるのです。そして一定の時間をかけて、一冊の本を書き終えれば、書き始めの段階では、形も定かではなかったあなたの半生が、明確な一つの物語として、あなたの目の前によみがえることになります。
それは本当の自分といってもいいし、もう一人の自分といってもいいのですが、あなた自身によって客観的に見つめ直された《自分》というものが、そこに描かれているのです。その新たな《自分》と出会うことによって、あなたはいわば、一歩先に進むことになります。

『超自分史のすすめ』三田誠広

また、自分史をつくるにあたっては、

(こんなふうに、)人から聞いた話でもいいから、自分に固有の状況を記述することが、《超自分史》の出発点です。
こういった細かい情報があれば、ありきたりな類型からどんどん逸脱していきます。それだけユニークな《自分史》になるということです。
細かい情報は、多ければ多いほどいいのです。

『超自分史のすすめ』三田誠広

としている。

③実習 自分史の書き方
 (内海靖彦)

自分史をつくろうと思うもののどのように手を付けたらよいかわからない、という人でも、この本の手順に沿っていけば作成していけるような作りになっている。

自分史は、本書の中で繰り返し述べていますが、現在の自分と向き合うために書くものです。現在の自分は、今日までの経験や思索の中から形成されてきています。大切にしている思い出や教えの中に、今生きている判断基準が潜んでいます。それをみつめ、言葉に変えることが自分自身の確認作業です。

『実習 自分史の書き方』内海靖彦

自分自身を把握するという目的のために自分史をつくるという考えにとても近いので参考になるだろう。

④自分史の書き方
 (立花隆)

大学で行われた自分史の講義をもとにした本で、
その講義において受講者が書いた自分史が資料として
ところどころついている点がとても参考になる。

自分史の場合、この自分史年表がコンテになる。いい自分史年表ができたら、自分史はもう半分できたといってもいい。

『自分史の書き方』立花隆

自分史年表の骨格は、いわば、「履歴書(学歴・職歴)プラス個人生活史プラス家族史」みたいなものであるから、まずは、そのアウトラインを自分の思い出すままにメモ的に書いてみるところからはじめるのがよい。

『自分史の書き方』立花隆

この本では、自分史年表を作成することを推奨している。
また、その時々に起こった社会的に大きな出来事を思い出すと、
自分自身の記憶を呼び起す手がかりになるとしている。

➁〜④は自分史を本として作成し、人に読ませる前提のため、
読みやすいとか面白さを出すための書き方についても書いてあるが、
ここでの目的は自分が自身を把握するためのタネを拾えればよいので、
自分でわかるような記載ならばそこにはこだわらなくていいだろう。

スキルチェックをする

これは主に長所と短所をまとめるのに使える。
すでに挙げた、

ハーバードの自分を知る技術
(ロバート・スティーヴン・カプラン 福井久美子訳)

において、スキルチェックができるページがある。

スキルチェックは、転職サイトなど調べればいくらでも出てくるが、
ここでは自身の長所と短所を知るという目的でおこなうことを想定しているので、たとえスキルチェックの結果「あなたに向いている職業はこれ」と出たとしても、その結果にこだわる必要はない。

長所と短所を知り、長所は伸ばし、短所は対処(克服するか避けるか)する。
あくまでそのためのものだ。

また、長所(強み)については、

強みを活かせ!あなたの才能を伸ばす知恵
(ドナルド・O・クリフトン&ポーラ・ネルソン 宮本喜一訳)

が参考になる。

最も大きな成功の可能性を見出すには、本来備わっている強みを思い出させ、一方で弱点とうまくつきあう戦略を教えながら、その強みを活かすことにあるのです。

『強みを活かせ!あなたの才能を伸ばす知恵』
ドナルド・O・クリフトン&ポーラ・ネルソン 宮本喜一訳

この本では弱点にばかり注目する愚かさを説き、
自分の強みを見つけてそれを活かすことを推奨している。

自分の強みを探す手がかりについて詳細に書いてあるので、
長所を知るのに役立つだろう。

最高の自分を詳しく思い出す

これまでの人生で、
自分が輝いていた瞬間、最高の気分になった瞬間
を思い出すということである。

これをすると、
自分が本当は何がしたいのかを知る大きな手がかりが得られるだろう。

これについても、

ハーバードの自分を知る技術
(ロバート・スティーヴン・カプラン 福井久美子訳)

が参考になる。

最高の自分というのは、わかりやすいものだと、
表彰された時のような、外部からの評価だ。

そういったものでなくても、
その時間がとても充実していたと感じられたりするものや、
表彰などはされてなくても、自分の中でとても上手く行ったと感じることができたものでもいいだろう。

自分史をつくる中で出てくるエピソードで、
自分がよい気分だったものを掘り下げてみることでも
その瞬間を思い出す手掛かりになる。

以上、自分自身を把握するためにおこなう具体的な作業と
参考になりそうなものをまとめてみた。

作業をし始めると、時に目的を忘れてしまうこともあるので注意が必要だ。
目的を忘れると、作業の結果が目的を達成しないことがよくある。
作業の途中で詰まったり迷ったりするときも大抵、
目的を見失っていることが原因だったりする。
どんなことでもそうだ。

自分史をつくるにしても、スキルチェックをするにしても、

自身の長所と短所を知る
自分は本当は何がしたいのかを知る
自身の性質を知る

ために、つまり
自分自身を把握するためにおこなっている
ということを頭においておきたい。

次の項では、自分自身を把握することがある程度できたらどうするか、
について書くつもりだ。

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