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デスマルケ・ルプトゥーラの心得

1. はじめに

今回の記事のテーマは「デスマルケ・ルプトゥーラの心得」。

デスマルケ・ルプトゥーラとは、

相手のマークを外して、相手の背後でボールを受けるためのアクション

である。「プルアウェイ」や「チェックの動き」などと言われるアクションがあるが、これらはデスマルケ・ルプトゥーラの種類のうちの1つである。

いま、この記事を読んで頂いている読者の皆様の中に、下記のような悩みを抱える方はいないだろうか?

【選手の方】
・相手ゴール前でスペースが無くなると、ボールを受けられなくなる
・身長が小さく、ボールを受けてもすぐに体を寄せられてボールを奪われる
・得点数が伸び悩んでいて、もっとゴールを決めるためのアイデアが欲しい

【指導者の方】
・試合において、引かれた相手をなかなか効果的に崩すことができない
・サイドからの攻撃だけでなく、中央突破で得点を奪いたい
・自チームの前線の選手に、マークを外す動きを習得させたい

本記事が解決できる悩み

上記のような悩みを抱えている方には、是非とも本記事をおすすめしたい。

本記事では、デスマルケ・ルプトゥーラを行う上で押さえておきたいキーファクターを、徹底的に解説している。

それも、よくありがちな「タイミングを合わせる」とか「アクションの優先順位を意識する」などといった抽象的なものではなく、「いつ動けば、タイミングを合わせることができるのか?」「どのような状況で、どのアクションを選択すればいいのか?」といった具体的なアドバイスが、本記事からは得られる。


実は、本記事を書くきっかけになったのは、現在、私が所属している筑波大学大学院・サッカーコーチング論研究室での研究活動だ。本記事のテーマである「デスマルケ・ルプトゥーラ」は、私が先日、提出を終えた修士論文のテーマと非常に関連が深いアクションなのである。

修士論文に関する詳細はここではお話しすることはできないが、論文を書き上げる過程で分析した、Jリーグおよび欧州各国のリーグ・3795シーンの中から、皆様の役に立つであろう知識をピックアップ・整理し、本記事に詰め込んである。

本記事はいわば、私の筑波大学での研究活動(インプット)と、筑波大学蹴球部の指導現場での活動(アウトプット)の集合体だ。必ずや、皆様にとって何らかの新しい気付きや知識の獲得に貢献できると確信している。

現代サッカーでは、攻撃時に「フリーなスペースを獲得する選手」、いわゆる「ポジション優位」が消滅しつつある。ポジション優位を徹底的に封じるための守備戦術として、より人に対しての意識を強める「マンツーマンディフェンス」を組み込んで来るチームが増えてきているからだ。


マンツーマンディフェンスを特徴とするチームの代表であるアタランタ
(引用元)https://www.footballista.jp/news/77405


スペースがあれば輝く選手でも、徹底的にマークされると途端に輝きを失う選手は少なくない。そんな状況でも、状況を打開し相手に脅威を与えるためには、本記事で取り扱う「デスマルケ・ルプトゥーラ」が1つのカギとなる。

あらかじめ、優位な状況でプレーすることができなくとも、相手との駆け引きによって、優位な状況を創り出すことができれば、おのずと活躍できる可能性は高くなる。そういった選手が、今後は重宝されていくだろう。

本記事を読めば、以下のようなものが得られる。

① 簡潔な文章豊富な図やアニメーション動画の3つの柱による「デスマルケ・ルプトゥーラ」の深い理解が得られる
② 読者の皆様が、書籍やSNSを読み漁るための時間を節約することができる

本記事のアピールポイント

noteの最大のメリットは、「文章+図・アニメーション+動画」の全てを一度に活用できることである。本記事でも、様々な資料を用いて皆様の理解をサポートする。

ぜひ、この機会にご一読いただきたい。
それでは、まずはデスマルケ・ルプトゥーラを行う前に整理したい「3つのポイント」から解説しよう。

2. 受ける前に考えるべきこと

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