人生とはチョコレートの…… 2021/08/03
日記
・なんとなく早起きできた。早起きしようと思うと2時とかに起きるのに、なにも意識しないとすんなり起きられるこの不条理に我々はどう立ち向かっていくのか。これが全人類(片岡鶴太郎を除く)の根本的な課題である。
・いまさら『フォレスト・ガンプ』を観た。数年前からずっと観よう観ようとは思っていたものの、時が満ちていないような気がして先延ばしにしてしまっていた。
・全然関係ないけど、ちょっと前まで『フォレスト・ガンプ』と『グッド・ウィル・ハンティング』を完全に混同していた。どっちもベンチに座っている写真がよく紹介されて、「〜一期一会〜」とか「〜旅立ち〜」とか似たような副題がついているせいだ。公開された時期も同じくらいだった気がする。やめてくれ。
・開始早々、あの超有名な「ママが言ってたんだ。人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまでわからない。」が来たのでちょっと笑ってしまった。別に笑うところじゃないけど、至るところで耳にするから満を持して"本家"を味わうと面白くなってしまう。
・あと、あんまりこの喩えがピンと来てないせいもあるかも。チョコレートの箱に入ってるのはチョコレートだけじゃんと思ってしまう。「チョコレートの箱」に対する認識が日本とアメリカで違うのかな。映画のセリフだから飲み込めているけど、普通に居酒屋とかで上司に急に言われたら「どういうこと?」となる人は多い気がする。
・内容が思っていたよりもシビアで、結構現実的な問題がドッと押し寄せてくるような感じだったのにちょっと面食らった。ハートウォーミングであったかホカホカみたいなのを想像していたので。ジェシーの家庭環境が劣悪で、そこから先の人生も夢を叶えようと努力するたびに悪い方向に流れて……というくだりとか辛すぎる。こんなずっしりくるタイプだったのか。なんで誰も教えてくれなかったのよ。言ってよ。
・フォレスト・ガンプの人柄も魅力的だったんだけど、それ以上にジェシーやダン中尉など、周囲の人間の人生も劇的でそっちに気持ちが引っ張られてしまった。お母さんは身体を使って校長先生を懐柔するし、ジェシーはガンプのことを何回も裏切ってしまうし、ババの家族もお金が入った途端に働かなくなって贅沢三昧をするしで、ガンプの周囲の人物には人間のあんまり見たくない煤けた部分がちゃんとあって、それが描かれているのがこの映画の一番良いところかもしれない。別にババの家族のシーンとか「そのお金で子どもを大学へ入れてあげました」とか、そういう感じでまとめても作中上は問題ないはずなのに、そうしないんだよな。キャラクターに「良い人」「悪い人」の区分で割り切れないモヤッとするところを残していて、それが活き活きしてる。
・それでいうと、ガンプは徹底して汚れた部分がないイノセントな存在で、仙人とか神に近い描かれた方をされていると思う。人間味が全くないから、感情移入がしづらく、主人公というよりかは、観察対象Aみたいな感じなんだよな。だからこそ、最後子どもと遊び、スクールバスを見送るガンプの姿が輝き、そこで初めて人間「フォレスト・ガンプ」を認識できるようになるんだけど。
・最近、響鬼を再視聴している。再視聴と言っても、前に見たのはかなり昔だから、忘れているところが多く、感覚としては初めて観てるのとそんなに変わらない。
・いまちょうど20之巻辺りで、そろそろ高寺Pが担当した前半が終わるころだ。前半の徹底的に作り込まれた世界観で、ゆっくりと物語が進行する雰囲気で持たせるような作風はめちゃくちゃ好きだし、面白いんだけど、やっぱりこれを週一の放送で朝から見るとなると、子どもでも大人でもキツかったかんだろうなと思う。そろそろ2クール目も終わろうかというころなのに、縦軸にほとんど動きがなく、そもそもその縦軸自体存在するのかすらあまり見えてこない上、普通に1話丸々なんの進展もない回もあったりする。設定や世界観にハマれた人は、なんでもない回でも楽しめると思う(自分もこっち側)けど、そうじゃないと離脱するしかないよな……。ストーリー自体がつまらないわけでは決してないものの、それまでの平成ライダーの流れとは相性が悪い。
・あと、15話から結構長いこと"響鬼"が表立って活躍するシーンがないのにびっくりする。スケジュールの都合(たしか当時大河ドラマにも出演していた)でそんなことになったのだとは思う。ただ、(一応)華となる戦闘シーンで主役の出る幕がなく終わる回が続くのは、「面白い/面白くない」とか以前に明らかに問題があるよなぁ……。実際どういういきさつで降板に発展したのかは具体的に明かされていないし、おもちゃの売上や視聴率が一番の理由ではないらしいので、「だから路線変更も止むなし」とはならないけど、さすがにどうなのとは思ってしまう。
・さっき、「平成ライダーの流れとは相性が悪い」と書いた。実際その通りだとは思う。でも、こういうことを連続ドラマでやれるのは平成ライダー以外にないんだよな。そういう意味では「相性は悪い。でもだから平成ライダーらしいんだ」と言える不思議な構図が生まれている。
・響鬼のアレコレに関しては、後々になっていろんな証言やインタビューが出てきて、自分もそれを読んでいるから、誰が悪いとか、どこがダメだったとか、そういう短絡的な切り口では絶対に語れないんだよな。基本的には誰も悪くないし、誰も責められないものだと思う。とにかく時運が悪かったというか……。今なら、配信専用作品とかで、前半の作風のまま続けられていたし、人気も博していたんじゃないかとなんとなく感じる。配信ならまったりストーリーでも良いわけだし。
・でも、紆余曲折あって、とボロボロになっていた響鬼が、今「仮面ライダー」の1人として他のライダーと並び立っているのは感動的なものがある。やっぱり『仮面ライダー響鬼』はあくまでも『仮面ライダー響鬼』なんだよな……。