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2021.06.16 第六期叡王戦 斎藤慎太郎八段-佐々木大地五段 見届け人体験記

第四期叡王戦七番勝負からきっかけに第五期叡王戦を応援するプロジェクトクラウドファンディングのリターンとして見届け人が設定された。

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見届け人とは

対局開始時と対局終了後に行われる感想戦の際、対局室に同席いただき、対局を見届けていただきます。
実際の対局室の雰囲気を体験できる貴重な機会です。
※【将棋】第5期 叡王戦を応援するプロジェクトより抜粋

そして..... 交代劇

このたび、公益社団法人日本将棋連盟と株式会社不二家は、第6期より叡王戦を共同で主催する運びとなりました。また、本棋戦には、ひふみ投信を運用するレオス・キャピタルワークス株式会社、株式会社SBI証券が特別協賛いたします。
※ 叡王戦ついて 2020年10月29日更新 日本将棋連盟HPより

主催がドワンゴから不二家に代わり、配信もニコニコ生放送からabemaに引き継がれた。
私の少しずつ興味が薄れてきた…。

2021.04.3017:00 の衝撃

2021年4月30日、第6期叡王戦本戦トーナメント1回戦の見届け人募集の告知が、日本将棋連盟のホームページにて掲載された。

5月10日(月)対局:木村一基九段 VS 都成竜馬七段
5月11日(火)対局:渡辺明名人 VS 古森悠太五段
5月12日(水)対局:斎藤慎太郎八段 VS 三枚堂達也七段
5月15日(土)対局:澤田真吾七段 VS 井出隼平五段
5月16日(日)対局:稲葉陽八段 VS 佐々木大地五段
5月17日(月)対局:藤井聡太王位・棋聖 VS 行方尚史九段
5月18日(火)対局:永瀬拓矢王座 VS 佐々木勇気七段
5月21日(金)対局:丸山忠久九段 VS 青嶋未来六段

の全8カードが発表され、1回戦は30万円(税込)複数のお申し込みがあった場合は抽選を行うものであった。
ドワンゴはクラファンで10万(追加募集は20万だったと思うが)かなりの金額だったが、とりあえず30万なら出せない金額でないので平日対局を選んで応募したが全敗に.....
2回戦も全部申し込んでもすべて落選に…

最後のお願い 
2021.06.04

第6期叡王戦 準決勝・挑戦者決定戦「見届け人」を募集します

最後のチャンスだった。対戦カードは

6月16日(水)対局:斎藤慎太郎八段 VS 佐々木大地五段
6月22日(火)対局:藤井聡太二冠 VS 丸山忠久九段
6月26日(土)挑戦者決定戦

3カード(準決勝:40万 挑戦者決定戦50万)
私は準決勝2カードを選択した。これがギリギリ出せる金額だった。

2021.06.10 
11:36

役所のデスクワークで、各部署からの伝票・文書保存管理作業が行き詰まりお昼休みに入りスマホを確認した。ニコニコの登録したChからの配信開始通知の中に着信のおしらせが入っていた。まったくの知らない番号だった。
とりあえずかけてみた。

「もしもし、私の携帯に着信がありましたがどのような要件ですか?」

「日本将棋連盟渉外課の○○と申します」 

「あの.....どのようなことですか?」

「あまり時間がないですが、16日(水)対局:斎藤慎太郎八段 VS 佐々木大地五段の見届け人に…」

「あ、いいですよ。早速ですが決済先を教えてくれませんか?」

「ほんとうによろしいでしょうか?」

「構いません。時間がないんでしょ。とりあえず決済先を.....」

「わかりました。それではお願い致します。後ほどメールにて送信しますので」

たった2,3分で決断した。
ここにはなんもためらいもなく.....
そして夕方に決済先の銀行口座が記載されたメールが送られてきた。
とりあえず念には念をいれ普段使わない銀行口座に送金しそこから振り込み手続きを取った。手が震えていた…

2021.06.16

ほぼ睡眠が取れないまま自宅を出発し駅までの行った。あまり天候は良くない。
一番怖いのは有楽町線・副都心線が運転見合わせもしくは遅延が怖い…。
幸いにも何事も起こらず無事、副都心線北参道の駅までついた。
手持ちが少なかったので近くのATMで3万を下した。ご丁寧にも手数料を取られた。時間外だから仕方ない。

軽く時間を潰しにドトールへ。
アイスコーヒーを飲み無理やり眠気と緊張を解く。
ついでにトイレも済ませ会館へ…

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守衛室の問答⁇
指定の時間より2,30分前に会館前に到着。とりあえず着いたので確認のために、守衛室へ。
「すいません」

「はあ?」

「今日叡王戦の見届け人に来た者ですが…」

「叡王戦⁇」

「えー。あの叡王戦の…見届け人の件ですが」

「… 3階に行ってくれませんか?」

「はあ?それでは渉外の〇〇さん呼んでませんか?」

「すいませんが3階に…」

「あの、何のための守衛ですが⁇」

これ以上埒が開かないのでとりあえず3階へ。
行ってみて理解できた。
事務室にほとんど人がいない… 

遠くから職員らしき人が…
「あの〇〇さんいらっしゃりますか?今日叡王戦の見届け人で来た者ですが」

「あ⁈そうですか。〇〇はもう少しで来ますので…」

「わかりました。1階の玄関前に居ますので」
私はエレベーターで1階まで降りた。
数分後にようやくお会いすることができ、3階の応接室に通された。

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移動
担当の方からのご挨拶と簡単な流れを説明され、シャトーアメーバまで行くタクシーが来るまで待機していた。
トントン…と扉が開き、知らないオジサンが入ってきた。
守衛と押し問答していた時にタブレットと雑誌を小脇に抱えた…人だったよなぁと思い出しながら。
目の前のソファに座り名刺を出して…
「将棋連盟の特別顧問…」と名乗り、後で調べたらクリエイターの方だった。

「ご応募いただきありがとうございます。ところで今日はどちらから…」

「ええ… 〇〇からで副都心線一本で来ましたが」

「そうでしたか。将棋のほうは…」

「電王戦からで。ニコファーレの大盤解説にも」

「niconicoからですか。ところでお好きな棋士は?」

「羽生善治九段で。ニコファーレに来るたび に飾ってあるガルリカスパロフとの特別対局写真を見ていつかは会ってみたいと」

「え、そこからですか?珍しいですね」

「昔サンケイツアーズので初めてお会いできました。羽生斎藤戦の棋聖沼津対局でした」
当たり障りもない会話をしながら、タクシーが来たと連絡が入り、貴重品だけ持って一階に。
タクシーに乗り込む前に1人の女性の方がいてその方も本日の見届け人の事務方のアテンドが一緒に向かった。何故か特別顧問がお見送りをしてくれた。少し気まづかった。そこまでしなくても…



シャトーアメーバ

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タクシーでだいたい5、6分にシャトーアメーバがあり、あの極楽とんぼのKAKERU TVで観た光景がフラッシュバックして少しテンションが上がった。
入館の為、手指消毒・検温・特記事項の確認を終えサインしてからゲストパスを受けとる。
とある階まで上がるといくつかのスタジオがあり、その内の一つが叡王戦の対局室であった。

対局室

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アテンドの職員の方が対局室へと案内された。イメージしていたのはニコファーレぐらいの広さかなぁと思っていたが意外にもこじんまりとしていた。
カメラも正面と天井カメラぐらい。
まさか、まさかの記録係が野田澤彩乃女流だったとは…
二、三枚ほど撮り退室。

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そして

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お水を一本頂く。
近くにスーツの男性が。写真はNGだったのでどんな方なのかというと、将棋連盟ライブ中継の観戦記者だった。ライダーネームは玉響。意外にも若かった。元奨励会らしい。
名刺をいただきちょっとだけ会話を…

「普段は将棋はされるですか?」

「いや… 本当に気が向いた時しか指しませんが… 」

「abemaはいつもご覧になります?」

「mリーグとthe Nightぐらいですか。どうもabemaの将棋はちょっと苦手で…」

「いつから将棋を?」

「ちゃんと見出したのは電王戦あたりからで。よくではありませんがニコファーレでの大盤解説にも行きましたが」

「 斎藤先生、佐々木先生どちらかお会いしたことはありますか?」

「斎藤先生なら。確かニコニコ超会議2016の多面指で。この時が最初でした」

からの麻雀の話になり、程なくして佐々木大地五段が入室。カギをスタッフの方に預けて隅の座布団に座り、斎藤慎太郎八段を待つ。
アテンドの職員がそろそろ上がってくださいと。

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この写真は同行していた女性のアテンドの方にスマホを渡し、何枚か撮ってもらった。
o川か?と思ってしまい、少し痩せないとなとこころの中で反省をしていた矢先に。

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斎藤慎太郎八段が入室。カギをスタッフに渡し、隅の座布団に座り振り駒を待つ。

振り駒の様子はこちらに…

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並べ終え、対局開始時間まで待つ。
これが長い。最初は正座しようとしたが、足をよく釣るようになりギリギリまで足を崩していた。それと入力するタブレットをじっと凝視していた。タブレットでカウントダウンしているの見ながら良きタイミングで正座へ。

対局開始

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一礼し、ikusaが始まる。挑戦権を得る為の闘いが。
二、三手指した辺りで見届け人退席…
足が痺れ、対局の邪魔にならないように部屋を出る。
ちなみに靴を履かずに手に持って外の待機スペースで履き直す。
今思えば、竜王戦プレミアムの椅子に座っての観戦のほうが楽だったことを。
「どうでしたか?」

「いやあ… 」

言葉に詰まり、水を飲み、振り返る。
表現できる言葉が浮かばない。
ミンティアを噛み砕きながら探し出しても浮かばない。ジャケットの脇ポケットにまいまいのアー写を出しそうになり…

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※この写真は自宅で撮ったものです。
まいまいは水野まいさんで大人アイドルprediaのメンバーのひとりです。

将棋会館
タクシーに乗って会館へ戻る。車内の中でふと歩いたほうがいいのでは、と思いつつ短い時間で外の景色を眺める。

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部屋に戻ったら?

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部屋にはアテンド棋士に高見泰地七段、山根ことみ女流二段が❗️

程なくあの方が。

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あの🪵 or 🦜こと将棋連盟佐藤康光会長が挨拶に来た。
「今日はようこそ…」

「こちらこそありがとうございます。あのー、去年ありがとうございました」

「去年?」

「竜王戦渋谷対局のトークショーで竜王戦の海外対局の話から、羽生佐藤百番勝負の…」

「ああ。あの時はありがとうございました」

「まさかサインしてもらうとは…」

「ところで角換わり?高見君は詳しいんでしょう?」

高見七段が苦笑いしながら…

「では、今日一日楽しんでください」
と会長との写真を撮ってもらい、揮毫した色紙を渡そうとしたが、職員が後で…
そして会長退出。

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盤・駒が用意されてたので、さっそく検討へ。

検討 
駒を出し、スマホのアプリを見ながら並べていく。私は自宅から持ってきたタブレットPCで水匠3を動かす。
えりりんありがとう。
(女流棋士 山口恵梨子ちゃんねる)

41手目☗7九玉

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abemaのよくわからないAIと水匠3の推奨手を見ながら

高見「どうですが?」

山根 「うーん…むずかしいですね。どうですが?」

私「さあ… さっぱしわかりませんね。チェスクロなのでどう読んでいいのか」

高見「まだまだ序盤ですから佐々木君の玉の位置が定まらないのは。右玉に組み替えたいのか?」

なかなか後手の方針が定まらない様子て…
どのように検討するのかと。

話を叡王戦の話題に。
私「dwangoから不二家に代わって、夢がなくなりましたね。叡王戦の」

高見「夢?」

私「女流やトップアマにも門戸を開けたdwangoに対し、不二家になってからcloseになり…」
2人は沈黙した。

気まずいので話題を変え…

私「高見先生、2019のヒューリック杯清麗戦の時どうですが?あの時のお台場は」

高見「あの時のお台場賑やかでしたね。確か」

私「ええ、tif2019がやっていましたから。騒がしくなかったですか?」

高見「tif?」

私「TOKYO idol festivalのことですが。夏のアイドルフェスみたいなものですよ。昔はアイドル達の見本市でメジャーからご当地アイドルやインディーズまで揃えてましたが、近年は…」

山根「どんなアイドルが…」

私「有名どころはアイドリング!!!やでんぱ組.incやハロプロ系や48など。最近ではあーりんや乃木坂46の3期もですかね」

高見「あんまりアイドルには疎くて… 乃木坂ぐらいしか…」

私「グラビアアイドルはどうですが?tifの中にグラビアアイドルのイベントがありますので…」
とtifの話しになり、そこで起きた事件やハプニングなどを説明しながら場を盛り上げたが、59手目☗6七銀あたりから手が止まり検討を再開し.....

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昼食
会話を軽く再現
職「お昼のお食事を選んでいただけませんか?」

私「それでしたら、先生たちお先に選んだらどうですが?」

高見「いやいや、どうぞ先に」 

私「私は後でいいですから、どうぞ」

高見「そうですか、じゃあ鳩やぐらの… 南蛮漬けのを」

山根「私も…」

手慣れた先生たちは指でメニューを選び、私は、

私「今日ほそ島ややってますよね?」

職「ええ、やってますが」

私「それでは、大盛りそば一枚お願い致しますが」

高見「え?ホントにいいんですか?」
職「遠慮なく…」

ちょっと気まずく…
私「それでは追加でふじもとの肝焼き二本追加できますか?」

職「わかりました。これでよろしいですが?」

私「それでは別会計でいいので鰻重の梅で」

職「いやいや出さなくても、それでしたらご飯少なめに注文しますので」

私「わかりました。お願いします」

と、注文が決まり、64手目☖3一玉を指し、先手の手を探し出した。がいまいち浮かばない。
昼食休憩に入り、高見山根組は一時退出。

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ひとつ学んだのは、ふじもとの鰻重は美味しい。肝焼きもそんなに悪くない。
ただ食べすぎた… 永瀬拓矢の注文か!と…。

13時の千駄ヶ谷近辺
局面は沈黙状態に…
昼食に取ったそばとウナギのお重を片付ける。テーブルを拭き、盤を戻す。
☗4四歩を休憩込みで約1時間ぐらいの長考並みに…
高見山根組は再度入室…
4四歩からの後手の差し手を考える。
4四同銀から軽く調べても、端の1五歩から同歩2四歩…とあまり良くない。2九飛がみえるので同銀は無理かなぁ…
ぶん回してる水匠さんも先手有利に傾いていた。
そして指した手が☖4一飛。

次の手予想
高見予想は☗8五桂を予想。山根予想も8五桂。
そして結果は☗8五桂 さすが叡王取ったことあるなと。

そして職員さんが鳩森散策の案内があったので八幡さまへ。

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イメージ写真ですが…

将棋堂の前で記念撮影を撮り、近辺を散策。

会館前でも撮影。

強者どもの夢の跡 
会館に戻りエレベーターで5階へ。
まずは香雲に。以前ニコニコで使用していた対局室。
今も対局室として使われて、メディアの取材用にも活用されている。

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ここで、山根女流にリコーの自動記録について聞いてみた。山根女流曰くあまりトラブルもなくスムーズにできるのこと。
職員の方が近々男性棋戦でもテストを開始するのこととおっしゃってた。とりあえずは時間の短い対局から。
慢性的な記録係不足の解消となるのか?

もうひとつの部屋に…

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歩月の間に案内された。ここは以前ニコニコ公式将棋放送のスタジオとして使われていた。中の見せてもらったが、跡形もなく、雑然とされていた状態に… 
ここも近々対局室としてリフォームするらしい。
なんだかさみしさと哀しさを感じた。

戦いの場

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4階まで階段で降りる。ここも対局室があるフロアだ。
この日は王位戦4局、竜王戦1局。
入口あたりにO棋士が椅子に座って何かを考えている様子…。
F棋士もなんか不満なのか、それとも.....。なんかこちらがちょっと気まずいなと感じ軽く会釈をして奥に。
コロナ対策なのか全開でなく、だいたい3分の1ぐらい開けてて、チラッと対局風景が見えた。はじめてあの博志がチラッと見えた。小さな幸せ。

飛燕・銀沙の間に。

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対局のない飛燕・銀沙に案内された。そこには将棋盤と駒が用意されていた。今日は特別ですがと職員の方がおっしゃっていた。

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盤も駒も普段使われている物で脇息もニコ生でみたお馴染みのだった。
ここでも記念撮影。ここでは対局中継について聞いていた。あとロッカーについても。
また応接室に戻る。

はやい終盤

部屋に戻り、75手目☗6五同歩まで進んでいて並べて今後の方針について考える。
高見先生がどこかで自陣辺りに打ち込んでくるかと…まさかの79手目☗6八角が。
高見「後手はかなり苦しいですね」

山根「そうみたいですね。なかなか手が出しにくいです」

私「それは想定外だったのですか?」

高見「例えば5五歩から行ったとしても6六歩、5六歩5六同銀右で6五桂を外されてしまうので。攻めの桂が働きを封じるとなかなか手段がないので」

職員さんがとある道具を部屋に運び.....
職「先生そろそろ.....」

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職「色紙に揮毫を…」
色紙に揮毫をしてもらった。その模様はInstagramに一部投稿しております。

職「高見先生どうですが?」

高見「数手みないと。でもほぼ先手優勢なので。山根先生は?」

山根「え?そうですね。先手がかなりリードしていますので。後手が有効な手段を出せばいいのですが…」.

女性の職員の方がプリン🍮を運んできた。
職「高見先生のタイミングでタクシーの配車させますのでお願いいたします」

高見「わかりました」
とりあえずプリン🍮食べる。写真を撮るのを忘れて、モニター観る。

高見「美味しいですね」

山根「美味しいです。〇〇さんは?」

私「えぇ、美味しいですが、☖6四銀には☗5九飛ですが?」

高見「水匠の手ですか?」

私「えぇ、水匠の候補手の中のひとつですが.....」

高見「斎藤さんならやりそうな感じですね。駒台にある桂が4四に設置できればほぼほぼ先手勝ちみたいな感じですね」
山根女流も駒を動かして先手の桂が4四に設置できればほぼ先手勝ちと。

5九飛、8五歩、8五同金、4四飛、4五歩、5四飛からの4四桂が… それをみて

高見「山根先生、職員さんにタクシーの手配をお願いしてきますので」

山根「わかりました」

私「ありがとうございます」
高見七段が部屋を出た。

そして4七歩からの後手の攻めが入ったが、4七同金から駒を除去していき、100手目☖4八角を放ったところで。

高見「3二桂成から入ったら後手はほぼ手が無いです」

高見「佐々木さんにとっては不本意ですが…。」

私「こんなに時間を余らせてですが?」

高見「そう。斎藤さんが上手く指せたからです」

私「キーポイントは?」

高見「☗6八角辺りからですか。山根先生は?」

山根「斎藤先生の指し回しが上手くいきましたので☗6八角だと思いますが」
そして15時25分 佐々木大地五段投了。
高見「やばいな。感想戦始まったちゃった。」と苦笑いしながら、ポイント解説をしてもらい、山根女流からも。
そうして時間が過ぎていき…
職「タクシーが来ましたので。忘れ物がないように」

私「わかりました」
タブレットPCを片付けているときに、
高見「挑決も申し込んだですが?」
と不意打ちに聞かれて…

私「いえ。その日は渋谷でライブでして」

山根「どなたのですか?」 

私「えぇ…」
(さすがにprediaと言えなかったが…。ただチケットが取れる当てもなく.....)
言葉を濁し、両先生とともにエレベーターで下に降りる。

最後のお仕事
時間が過ぎ、当然のごとく勝負は必ずつく。
エレベーターで降りた私と高見山根両先生は1階の玄関に。そして別れが…
高見「今日はホントにありがとうございました」

山根「楽しかったですか?」

私「えぇ。有意義な一日を過ごせました。両先生方本当にありがとうございました」

高見「またどこかのイベントで」

私「コロナの状況次第ですかね…」
とジョークとともに、

職「それでは急ぎましょう」
とタクシーに乗り込んだ。先生のお見送りにで… なんか悪いことしたなぁと感じながら、スマホでabemaを観る。

程なくしてシャトーアメーバへ到着。
すぐに対局スタジオへ。
さすがに感想戦が終わったと思ったが、まだ続いていた。ただ見届け人がくるまで伸ばしていたといえる状況。

記録係の野田澤女流からコピーされた棋譜をもとに感想戦を聞いていた。

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見届け人にも質問できるターンが。
斎藤八段「見届け人様にご質問があれば」

私「そうですね。アテンドについてもらった高見泰地先生が☗6八角がひとつのキーポイントではないでしょうか?」

斎藤八段・佐々木五段
「そうですね…」とあわせたような感じで答えていた。

私「あと、時間を余らせて負けてしまった佐々木先生は悔しいと高見先生がおっしゃっていました」
佐々木五段少し苦笑い…
私「あと、ソフトを使って検討しても、なかなか後手に触れなかったのですが.....」

斎藤八段「そうですか」

佐々木五段「…そうですねえ」

私「これは高見先生と同じ見解になりますが玉の位置がうまく定まってなかったのでは。右玉かと思ったら…」

佐々木五段「確かに…」

私「私のほうはこれでいいですが」
玉の位置の検討しながらおおよそ納得できたのか、駒を片して一礼。

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放送が終わったのかどうかわからないが、佐々木五段「今日はありがとうございました」
私「こちらこそありがとうございます」
とスタジオを後に…

斎藤慎太郎八段はインタビューなのかどうかわからないが取材を受けていたのであいさつまでできず。

アテンドの職員さんが佐々木五段に

職「佐々木先生これからどうしますか?」

佐々木五段「会館に一応行きますが…」
と会話を聞いて、スマホの地図アプリを開き、

私「それでしたら佐々木先生にタクシーを譲りますので。私は最寄りの駅まで歩きますから」

職「いやいやそれは…」

私「大丈夫です」

職「そうですが」
ゲストパスを返却し、外へと。
ついてもらったアテンドの職員の方々とお別れに。
将棋連盟の紙袋を渡され、
「本日は誠にありがとうございました。また次の機会に」

私「えぇ、そうですね。それでは」

別れのあいさつをし、近くの銀座駅外苑前まで歩いて行った。

見届け人を終えて

dwangoが始めた叡王戦の見届け人制度。そしてそれが主催者がdwangoから連盟に渡り受け継がれたが、さてこれでほんとに良かったのかと帰りの銀座線車内の中で思った。

なんとなくの考察
それは叡王戦には夢がなくなってきたことにある。それは叡王戦の成り立ちからで、そもそも叡王戦は電王戦の棋士側の代表決定戦の一般棋戦であり、niconicoユーザー達が作り上げた夢のある棋戦だったはずであった。
第一期の決勝三番勝負の第一局の振り駒は叡王戦の名付け親のユーザーさんが駒を振り、第二期はあの羽生善治が参戦を表明し盛り上げた。
そして電王戦が終了し第三期からタイトル棋戦に昇格。序列も第3位になった。
dwangoが必死に叡王戦を盛り上げようと様々な盤外企画を打ち出し、決勝七番勝負の前夜祭まで中継し、さまざまなユーザーを繋げた第三期。
第四期も盤外企画の峰王戦が盛り上がり、年末の大井競馬企画や大晦日九番勝負、フルセットになった挑戦者決定三番勝負。そして見届け人という企画が発表され、高額であるがそこには将棋を身近なものにという意味合いがあったのではかったのか…。

第五期からはクラウドファンディングにて運営資金を募り、リターンの一部に各段位別予選決勝・本線トーナメント・決勝三番勝負の振り駒が行われる見届け人や追加された開幕局・藤井聡太戦・羽生善治戦の高額なものもあったが即売り切れに…。絶対にできないことを出資者や追加募集された見届け人達に多くの夢を与えた。
そしてdwangoが主催から降り…。その夢が途切れた。観る将という文化を生み出したniconicoが…。

本音
第六期から本戦の数も減り、金額も多少高額になりほんとうにこれでいいのかと…。今回だけなのかどうか…。

いつまでも藤井聡太ブームが続くとは思ってはいない。それは羽生善治九段が七冠を完全制覇したときもブームはそんなに続かなかった。
糸谷哲郎八段が新人王戦の授賞式祝辞の中で「いまの将棋界は斜陽産業。僕たちの世代で立て直さなければ…。」と発言。まさに今が斜陽産業の境に立っていると思われる。数年後には東西の将棋会館の移転もある。

個人的にはもう一度dwangoに戻って欲しい。それはabemaには出来ない企画力、観る将という文化を作った矜持があったのではかったのか。

最後に

将棋連盟、アテンド役の高見泰地七段・山根ことみ女流二段そして斎藤慎太郎八段・佐々木大地五段、記録の野田澤女流、そしてこの対局を観戦された方々に感謝申し上げます。
確か高額な金額ですが、今からでも少しずつでもいいので貯めてみるのはどうでしょうが。それができなくても叡王戦を観ている方々は間接的な見届け人だとおもいます。
長々と約一万字になってしまったことをお詫び申し上げます。
それではどこか皆さんにお会い出来たら…。

あっそうそう..... このぬいぐるみを持って将棋イベントにいたら私でwwww

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#将棋    #叡王戦  #斎藤慎太郎  #佐々木大地 
#高見泰地 #山根ことみ #佐藤康光 #見届け人





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