大学の同期に会った時のこと
私はサッカーJ2ブラウブリッツ秋田の傘下にできた育成のためのバレーボールクラブの代表兼指導者をしています。
バレーの指導現場で気づいたことなどその都度このnoteに書き留めていこうと思っています。
先日の大学の恩師の祝賀会に行って、同期たちと改めて当時の話をゆっくりとする時間がありました。
中学生の時からバレーを始めて、いつも怒られながら、時には殴られながらバレーをしていたにも関わらず、辞めることもできないまま体育大学に進学した私。
大学時代の4年間で本当にバレーが大嫌いになり、2度とバレーはやらないと決めて秋田に帰って来た私ですが、縁あってすぐにまたバレーをやることになり、バレー歴は何やかやで44年、指導者歴は25年になりました。
今回約35年ぶりに大学の同期に会って言われたことがあって、私が4年生でキャプテンという立場でチームを優先に考えていたことと、同期が私に託していた思いが一致していなかったことを知ることができました。
「カコ(私のコートネーム)はうちらが入学してすぐのリーグ戦の応援に行った時に、一年生なのに既にスタメンとして活躍してて、本当にすごい選手がいるって思ってびっくりしていたんだよ」
「だからこそ私たちの同期の代表のカコには最後までスタメンとしてしがみついてほしかった」と。
彼女たちはリーグ戦には出ない、Bチームの選手たちでした。
バレー部員が約100人もいる中で、私は入学してからずっとAチーム(約20名)にいて、同期の中でずっとAチームでプレーしていたのは今考えると私だけでした。
今回瑞宝章を受章された森田昭子先生は、主にBチームの監督をされていて、Bチームの選手たち一人一人に目を配り、彼女たちを厳しくも将来指導者になるための自立させる指導をされていたそうです。
(私たちAチームにも時々来てくださって、愛のある叱咤激励をしてくれていました。)
そのため、Bチームにいた彼女たちは私には特別な思いを持って応援してくれていて、また指導者になる人材としての視点で見てくれていたのです。
そんな彼女たちの思いを知らなかった私は、3年生まではスタメンだったのですが、4年生でキャプテンになってからは、速さばかりを求めるセッターのトスとなかなか合わせることが出来ず…。
怪我もしていたこともあり、私が無理にスタメンになるよりは、このセッターに合わせられる選手でチームを組んだ方がチームの勝利に繋がるんじゃないかとそう感じていました。
そもそも私自身がそんなに自分のことをあまり評価していなくて、私の代わりはいくらでもいるとまで思っていたんです。
そして自分が下級生の頃、上級生からたくさんの理不尽なことで怒られてプレーに集中できなかった経験から、チームの悪しき習慣をどうにか変えて下級生がのびのびとプレーができる環境づくりをすることが自分の使命だと勝手に思っていました。
確かにその甲斐あってか、チームの雰囲気はかなり変わり、下級生がのびのびとプレーする空気はできたと思います。
ただ、それとは引き換えに私のプレーヤーとしての存在価値はどんどん薄くなっていきました。
キャプテンなのにスタメンではない私が下級生に指示を出し、サポートをして、練習メニューを組み、スタメンでなくても手本となるために怪我をしている体に鞭打ってプレーをしました。
時にはキャプテンなのにユニフォームを着せてもらえなかったこともありました。
本当に苦しかった…。
卒業する頃には「もう2度とバレーはしたくないし、ボールなんて見たくもない。」そんな気持ちになっていました。
今回同期に言われた言葉で自分自身でも驚いたことがありました。
「カコはとりあえずトスを上げておけば、必ずどうにかしてくれるぐらいのレベルのアタッカーだったのに、あの速いバレースタイルだとカコの良さを全く生かせなかったよね。」
「まぁ、スタメンは監督が決めることだし、当時はチームがあの速いバレーで行くって決めたんだから仕方がなかったんだろうけど、もったいないって思ってたんだよ。」
えー⁈そんな風に見てくれていたんだ…正直衝撃でした。
だって私は『ダメな選手』なんだって勝手に自分を低く評価していたんですから。
あのままバレーを辞めていたかもしれなかった私ですが、秋田に帰って来て幸いにもバレーの楽しさに出会えて再びバレーに関わることになり、恩返しのつもりで指導者になりました。
ブラウブリッツ秋田でバレーボールクラブの代表となった今でも、あの時の苦しくて惨めだった自分のことをいつも頭の片隅に入れて指導しています。
今回の同期からの話を聞いて、より一層バレーが大好きな子どもたちが嫌いになってしまうようなことはしない!あの時の私のような選手を作っちゃいけない!そう心に誓いました。
それにしても全ての出来事には意味がありますね。
おかげさまで自己肯定感が上がる出来事でした。
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