弱さを知る私たちには、力がある。
大切すぎればすぎるほど。
思いが強ければ強いほど。
この想いを、なんとかして伝えたいともがくけれど。
伝えようとすればするほど、伝わらない。
もしかしたら伝わっているのかもしれないけれど、伝わっている気がしなかったりする。
そりゃそうだ。
だって、「私は無力だ」と思っているから、そういうふうにしか見えてこないんだ。
でも。
ほんとうに必要なことは、伝えることじゃない。わかってもらうことでもない。
私自身が揺るがないことだ。
揺れてもいい、倒れそうになっても、また戻ってくるしなやかさを。
そういう意味での強さを持つことだ。
伝えられたかどうか、じゃない。
何かやることで、「自分に人を動かす力がある」と安心することじゃない。
私は、必ずここにいる。
そう、自分の力を思い出して、自分の足で、地べたを感じてしっかり立って、「ここにいる」ってことだ。
じゃあ、揺るがないためには何が必要だろう。
今私が思うのは、〈自信〉
それである。
自信
月並みな言葉だ。嫌になるほどに聞いた話だ。
だけど、周り巡ってそう思うんだ。
自分を信じられること。
それは、「これだけやってきた」自分じゃない。
実績や評価や功績みたいなものでもない。
ポンコツで、失敗して、恥かいて、いろんなものを失って。
人を傷つけ、去っていく人の背中を見て、後悔して。
うまく立ち回れず、しなくていいことまでして、疲れ切って。
本当は腹黒くて、嫉妬心に塗れて、卑怯者で。
そんな、嫌になりそうな自分でも力があるんだと。まだまだイケるんだって、信じること。
大切に思われ、そばにいてくれる人がいて、1人じゃないんだと、信じること。
これまでも生きてきたし、これからも生きていっていいと、信じることなんだ。
それが、強さになる。
弱さを知っている人は強いってのは、そういうことなんだと思う。
弱さと強さと
自分は弱いと知れば、人に優しくなれる。
自分を許せたら、人を許せる。
私も、あなたも、同じなんだ、と。
優しくなくたっていいよ。
ずるくたって、怠け者だっていい。
誰かを嫌っていてもいい。
そう、誰かに言える強さを、思い出すことなんだ。
私たちは、まだ、やれる。まだ、いける。
現状維持じゃなく、この先へ行けるんだ。