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ビカクシダの固定は、テグスより麻紐が良い

なぜかビカクシダ関連のサイトでは
透明なテグスで、グルグル巻きに板付けしてることが多いけど

たぶん、運搬に耐えるために販売業者が選んだ手法にすぎず
自身で作る時に、真似る必要がない

麻紐に比べて、デメリットばかりだと思う


テグスは腐食しないので
切って外すときに、ピンピン尖った断面が
光ファイバーのようにファサファサなっちゃう

引っ張っても、巣葉の下に
残ってるのでは、という気持ち悪さが残る

麻紐は自然に劣化するけど
株が落下するほどには劣化しないし

そこまで時間が経ってたら
サイズアウトで付け替えの時期


麻紐は太さがあるので
生えたての胞子葉をかすったとしても
ダメージを与えない

太さで水苔を押さえやすいので
巻数を減らせて、時短になる


使ってる例を、7つ挙げます

まず、マダガスカリエンセ

大きな株になると、巣葉が地面に丸く貼り付くのだけど
小さいうちは、そのまま相似形になるのでなく

こんな感じで、巣葉と胞子葉の中間のような
噴水のような形になってる

1つ前の巣葉が、こういう立ち上がった形のまま止まると
これが抵抗になって、次の巣葉も平らにはなれない

古い巣葉が茶色く
柔らかくなると、自動的に解消してく

私はマダガスカリエンセを水平に育てるので
垂直のままでも、貼り付きモードに移行してくれるかは知らない

それまでは重心が高くて不安定なので
麻紐でガチガチに固定する

テグスと違って、不自然な光沢ができず
水苔に溶け込む色なのもイイ


これもマダガスカリエンセ

平らっぽい巣葉が出てきたら、地面に貼り付かせたいけど
葉はけっこう硬いので
切り目を入れて、無理やり固定した

このくらい切っても誤差

テグスだったら、葉に触れる面積が小さいぶん
圧力が高くなり、鋭利な刃物として、風で切り目が広がってしまう

スズランテープは、見かけは最悪だけど
広げて左右に1渡しするだけで
水苔をたゆんと、水着のように支えてくれるので
麻紐すら省略できる

スズランテープを選ぶときは
最初から結られて、細くなってるものが良い

それを切って広げると
光沢がなく、シャリシャリした質感の
幅広のものが手に入る

幅広なら、2周でなく1周で終わるので時短になる


木の板に固定するときは

バックベアードの目
千年パズルの目

とにかく目の形になるように
水苔の上と下に2回ずつくらい巻くと
簡単に固定できる

麻紐を1周まいた時点で、1重結びをしておき
2周目を巻く

テグスと違って、テンションはぜんぜん緩め

板の左右にくぼみがなくても
勝手にズレたりしない

麻紐を切って止めるときに
板に穴がなくても問題ない

1周目に結んだあたりが、麻紐だけで穴になってるので
そこに終端を結べば固定できる


麻紐は厚みがあるけど
ビカクシダの巣葉は、このくらいの高さなら
気にせず超えてく

巣葉が左右に1回ずつ広がった時点で
麻紐は隠れてしまい
どんな紐を使ったかは分からなくなる

丁寧に巻こうが、テキトーに巻こうが
2ヶ月後には誤差なので、作業速度を優先してる


テグスだと、テンションMAXの状態で
誤って成長点をピンッと弾いてしまったら
ポロッと取れて、次の葉が出るまでの期間をロスする

麻紐は巣葉を上から、指のように押さえつけるイメージで
位置を決めるときも、クレーンゲームのように
上空で合わせてから下ろす感じなので

巣葉に密着させてから、横方向には移動しない

だから、成長点に引っ掛かるミスはありえず
この写真のように、成長点の下側ギリギリを攻めることもできる

(上側は次の成長点になる位置なので、攻めちゃダメ)


麻紐は古くなると、茶色が濃くなり
最終的に真っ黒になって、その頃には引っ張るだけで切れる

その時期には
新しい麻紐を、追加で巻くだけ

板付けのし直しにはならない

テグスと違って、切って回収するものがないので
黒くなった麻紐は、そのまま水苔と一体化すればイイ


麻紐には、こげ茶色で硬い
ゲジゲジした商品と

この写真に写ってるような
薄い茶色の柔らかめの商品がある

どっちを使ってもイイけど
劣化は後者のほうが早いみたい

前者は、最初から黒めなので、劣化が分かりにくく
チクチク痛いし、私は後者しか使ってない

茶色い紙紐が、並んで売られてることもあるけど
見た目が似てるだけで
濡れると1週間くらいで破れるので、ビカクシダには使えない


苔玉には、麻紐は向かない

ビカクシダの苔玉って、芯があるわけじゃなく

ジフィーや水苔に、根が5cmくらい活着してそうな
安定した子株に対して

球形になるように水苔をひたすら足して
水苔が落ちる前にタコ糸でグルグル巻きにして
を、何十周か繰り返すとできる

10周程度で済むなら、麻紐でも良いのだけど
それだと、元気玉のような丸さにならず

麻紐の隙間から、水苔がボサボサ飛び出した
首領パッチのような見た目になり

引っ張るとボロっと取れちゃう


なので20周以上は必要だけど

麻紐の太さで20周もすると
表面のほとんどが、硬い麻紐になってしまい
水苔が内部に隠れて、過乾燥に気づきにくくなる

タコ糸の細さなら、表面は水苔のままになる

巣葉も多少は固定したいのだけど
そのために数周で済まないなら、やっぱり麻紐は使えず

巣葉の固定も、タコ糸でやることになる

タコ糸は一見して弱そうだけど
屋外で3年間ぶら下げても、ぜんぜん問題なかった

劣化で切れてるのかもしれないけど
巻数が多いので、ぜんぜん安定してる


以上、例を挙げて
麻紐のメリットを説明した

最後に余談だけど、テグスという
名前も正確でないから、使いたくないという理由もある

テグス=釣り糸じゃない

数学の集合でいえば、釣り糸という大きな丸の中に
ミチイトという丸、テグスという丸がある

テグスって英語っぽい響きだけど
道糸、天蚕糸という漢字をカタカナ表記したもので、古い言葉

昭和くらいまでは
フロロカーボンやPEラインでのルアー釣りが、発明されてなかったのか
エサ釣り中心だったようで、釣りの仕掛けの分類で
ミチイトか、テグスか、という観点が頻出する

ラインの強さも、重さ(ポンドテスト)でなく
太さ(号)で表してたので、太いだけで弱いラインが弱点だったらしい

釣りキチ三平も、うっひょーというセリフ並みに
テグスを連呼してた


従来のテグスの用途は、今ではショックリーダーと呼ばれ
テグスは、年配者の表現になった

(ミチイトは、メインラインと呼ばれるようになった)

テグスもショックリーダーも、用途を表した名前にすぎず
ラインそのものの名前じゃない

ラインの名前としては、ただの細いナイロンライン

軽い魚を相手にするなら、ミチイトとして使ってもイイ

100均にあるようなテグスは、釣り用にも手芸用も使えるけど
私はベイトリールが好きなので
ナイロンラインの、ボワッと一気に巻きが崩れる特徴が苦手で
釣りにはまったく使わない


このように、釣り用語にこだわりたい背景があるので

手芸屋やビカクシダで、「テグスを使う」
みたいな表現は、昭和が残ってるようで好きじゃない

テグスとしては使ってないやん
ナイロンラインって呼べ、って感じなのです

そして、釣りでは
色んなラインの良い点、悪い点に詳しくなってくけど
ビカクシダの固定用としては、ナイロンラインはぜんぜん便利じゃないし
むしろ不便な特徴ばかりなので

麻紐に切り替えたらイイと思います


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