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貯水葉でなく巣葉(そうよう)と呼びたい

園芸してる人が、殺人を実行する確率は
園芸してない人よりも低いと思う

そのような統計はAIに聞いても存在しなかったけど
演繹はできる

殺人は2人以上の間で起こるけど
園芸してる時間は1人の時間だろうから、殺人する/されるチャンスがない

外出時間も少なくなるだろうから
事故や事件にあう確率が下がる


生き物を愛でる人は、心優しいとか

植物がストレスを軽減させるとか

そーゆー精神的な通説は、ウソくささを感じる

植物が好きなぶん、動物(人間)には優しくないかもしれない

むしろ園芸には凶器がいっぱいなので
温室で激昂した人は、ほかの趣味より危険かもしれない


とりあえず
ビカクシダを育てる人が優しいかは置いといて

育てるからには、枯らしたくないって考えるだろう

枯らさない方法を、最初に調査するだろうし
お店で買えない品種が多いので

質問でなく
インターネットで検索し、上位に表示されたサイトを一通り読む

その行為が、個人の数だけ
つまり、日本だけでも何万回のオーダーで繰り返されてると思う


でも、たくさんあるビカクシダ関連のブログを
検索サイトが順位付けすることで
閲覧回数にロングテールが発生し

上位が常連サイトで埋まり、それらサイトで使われる用語が
日本でのビカクシダ関連のデファクトスタンダードになり

そこで推薦されている育て方、飾り方が良いものと規定され
そのルールから外れるほどネガティブな印象になる

枯らさない方向に役立つ情報を載せている、と評価されれば
権威を持ちたいかによらず、権威を持ってしまう

人間は社会的動物なので、この流れは避けられない


ただ、人間を含めた自然界には
必ずバランスを取ろうとする動きが自然発生して

偏りすぎない、ほどほどのバランスに収束する

この「自然発生」という部分に、とても興味がある

私は判官びいきなので、偏った情報を直したいと考えてしまう

だから、このブログを書いてるわけだけど
それは意思で決めたのであって、自然発生って自覚がない

でも、マクロな視点で見れば
判官びいきな性格の個体が生まれる確率も
そんな個体の中から、ブログを書こうと思考し、実際に行動する個体が
1体現れる確率も、自動的に決まってるのだろう

このブログも、見えざる手によって自然発生したのだろう


……で、今回ビカクシダ関連で
バランスを直したい偏った情報をあげるなら

胞子葉、貯水葉
という呼び名

たぶん、この組み合わせでの表記が
インターネット上でのビカクシダに関する日本語表記で
最多だと思うのだけど……

偏りすぎに感じる


だって、胞子葉も貯水葉も
正式名称じゃない

ビカクシダは正式名称

コウモリランは
大昔の人の誤解で1度は広まってしまった俗称

現代では、ビカクシダって書かれるのが最多

コウモリランって表記されるような、変な世界線にはなってない

でも
胞子葉、貯水葉と書かれまくる世界線には来てるわけで
違和感を感じる……


言葉は通じなければ意味がない

誤用とされることわざなども
誤用されるようなややこしさを持つのが、そもそも悪いので自業自得だし

誤用を書く人、読む人同士で意思伝達できてるなら
もうニーズに応えてるわけで

通じない正式名称より、通じる誤用が勝った
乗っ取ったでイイと思う


だから、胞子葉、貯水葉も
マイナーな正式名称より、通じる俗称が勝った
でイイと思う

たぶん、日本でビカクシダが広まった時期の権威が
胞子葉、貯水葉と書き、それが今でも連鎖反応してるのだろう

ただ、貯水葉って100回書いたのに、実は正式名称を知らないって人よりは
実は正式名称は〇〇なんだよねー、書かないけどねー
ってくらいに、周辺知識も持ってる人のほうが、余裕あって好き


私がギアッチョの根掘り葉掘りのように思うのは

胞子葉はまだ分かる
成長すれば先端に胞子が付くからな……

だが、貯水葉ってなんだ
水を、葉のどこに貯めるんだ?

葉の中に含んでるって意味なら、胞子葉だって貯水してるだろう

葉のオモテ面って意味なら、オモテ面はすぐ乾燥してるし、貯めてないだろう

葉のウラ面って意味なら、その位置の水分を貯めてるのは葉じゃなくて
葉の下の水苔とかだろう

貯水葉は、ただそれを覆ってるだけだ


実際、英語では貯水なんて意味はない

貯水葉を持つシダは日本原産でないので、外国語から日本語に翻訳されて正式名称が決まってる

その結果、貯水葉はnest leafの訳で
巣葉(そうよう)と呼ばれる

実際に外国で自生のビカクシダを見たり
育ててみた感覚としても、巣というイメージは違和感ない

鳥が住んでるのは見たことないけど
虫は住んでるし、微生物も住んでるだろう

鳥の巣に見かけも似てるし
別の寄生シダがぶら下がるのは、胞子葉でなく貯水葉なので
そのシダの巣とも言える

ちなみに、私が屋外で育ててるP. Mentelosiiには
いつもアマガエルが2匹くらい住んでて、そのウンコで成長してる


ただ
ああ、まさに貯水葉だぁ……と納得した出来事もあった

それは放置しまくったビフルカツムを解体した時なのだけど
光沢ある茶色い貯水葉が10層くらい、ブヨブヨに重なってて

その質感が完全にスポンジ……
もっと正確には、ギュッと握りつぶすとしぼんですぐ膨らむ黄色いソフトボール?(製品名がわかんない)
とそっくりで、中に水が貯まってた

つまり、枯れた一世代前の葉なら、たしかに貯水してた

けど、枯れてない巣葉まで貯水葉と呼ぶのは
納得いかねーーーーッ! クソックソッ!!!


巣葉が日本語変換の候補に出てこないかというと
そんなことはなくて

2ページ目くらいで出てくるので
めんどくても1回変換しておけば、次からは1番目に出てくる

「巣」の音読みがマイナーなのも、不利なのかなー

すよう?って迷う無駄すら
貯水葉には無いわけだから……


ちなみに、胞子葉は
foliage leafの訳で普通葉と呼ばれる

訳になってないじゃん! クソッ

普通葉なんて、特徴がないのが特徴みたいな名前
正式だとしても呼びたくないわ


foliageを無理やり日本語に訳すと
群葉という、ふつー使わないだろうって言葉だけど

leafを複数にしたleavesとも
ちょっとニュアンスが違って

leavesは、1本の木の離れた枝にある葉同士だろうが
散って地面に散らばってる葉だろうがleavesなんだけど

foliageって言ったら、なんかこう
生きてる木に生えた、遠くから見たらブロッコリーみたいに見える、あの感じ

不可算名詞なので、ブロッコリーがいろんな方向に複数あろうが
ぜんぶ含めて1個のfoliage

散った葉と区別したい時にしか使わないし
そんなケースは園芸家か詩人くらいだと思う……


ちなみに、LとRの区別がつかない族にとっては
foliageとforageは、同じに聞こえると思う

forageも植物の、しかも葉に関係ある言葉だし……

forageは刈り取りが終わった畑に転がってる
飼い葉のこと

円柱形で、DQ11とかFF7のマップによくある、麦色のアレ

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