先生辞めます②
家のことや子どもの体調不良でずいぶんと間が空いてしまったが、前回の続きを。
なぜ私は教員を辞める選択をしたのか。
自分の気持ちを整理するためにもここにしっかりと書き留めておりたい。
⚫︎多忙な毎日
教師の仕事は教科指導だけではない。ここに書き出せないほど多岐にわたる。
そして出勤してから退勤するまで、そのさまざまな仕事が次から次に降ってくる。
もちろん休憩時間などない。トイレに行く時間がなく、気づけば1日トイレに行っていなかったと、帰宅してから気づく日もある。
さまざまな業務に追われて、日中は肝心の授業準備の時間がほとんど取れない。帰宅後、子どもたちが寝静まった後に、眠い目をこすりながら次の日の授業を準備する。
生徒が可愛くても、同僚がどれだけ素敵な人たちでも、そんなことを噛み締める心の余裕を持てないまま毎日が過ぎていく。
ただ、私は公務員。決まった時間に出勤して、退勤するまで学校にいて、決まった時間に教室に行く。そのほかのめんどくさいことはサボろうと思えばサボれるし、授業だって教科書だけを使って最低限のことを教えればいい。そうすれば給料はもらえるし、ボーナスだって出る。周りからの視線に耐えられるだけの強いハートがあれば、そんなに忙しく働かなくてもいいのだ、本当は。
そんなことできるはずがない。目の前にいる生徒といつでも本気で向き合いたいし、授業だってもっといいものにしたい。自分が設定したゴールに辿り着くと、なぜかまた新しいゴールが出現し、まだまだ行けるよ!と自分を後押しする。本当は上手く折り合いをつけて仕事をするべきだったんだろう。でも私にはできなかった。いつでも本気だったから。
そして、走り続けた私は疲れてしまった。
⚫︎将来への不安
そんな忙しい毎日を、定年まであと何十年も続けられるのか。
これは私が本当にやりたいことなのか。
私はモノづくりが好きだ。趣味でいろんなものを作って、子どもの友達にプレゼントしているおせっかいおばさん。みんなの喜ぶ顔が大好き。
インスタグラムでハンドメイドを仕事にしている人を見ると、キラキラ輝いて見える。
きっとあの写真や動画の裏には、数えきれない苦労があるだろうし、自分で商売をするのは簡単なことではないと分かっている。でも羨ましい。
私も学生時代はやりたいことがたくさんあって、いきたいところもたくさんあって、冒険心に溢れていた。
でも今の私はどうだろう。忙しい毎日にただ身を任せるだけ。
まだ若い。もっと違う道があるんじゃないか。間違ってもいいから、挑戦したいと思った。
⚫︎子育てとの両立
朝は7時半に家を出る。子どもの準備などは夫に任せて、自転車を走らせる。
定時に退勤して保育園へ。帰宅するのは18時。
そこから「お腹すいた」攻撃に耐えながら猛ダッシュで夕ご飯を作って、お風呂に入り、寝るまで約3時間。
口癖は「早く!」。早くしてもらわないと、寝る時間が遅くなる。そして私の授業準備の時間がなくなる。子どもたちにテキパキ動いてもらわないと困るのだ。
ゆっくり宿題を見てあげる時間を取りたいし、ゆっくり本を読んであげたい。ゆっくりご飯を食べながら、今日の出来事をお互いに話す時間も欲しい。
今しかない子どもとの時間を、もっとゆっくり余裕を持って過ごしたいと思った。
2024年1月5日、私は退職願を提出した。
その時のことはまた次回。
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