【おすすめ本】ASDの特性を知る

大人の発達障害を診断された方(もしくはそうかもしれないと思っている方)の中には、自身の障害特性やその対処法について知りたいと思っている方や、周囲の人に障害について説明したいと思っている方がいらっしゃるかと思います。

私もADHDの診断を受けた当事者です。

診断としてはADHDなのですが、個人的につらいところはASD的な特性からきていると感じています(長年お世話になっているカウンセラーさんからもASDの特性があると言われています。)自分の特性はASD・ADHDの併存という視点でとらえるようにしています。

自分の特性のことを知りたくて、たくさんの書籍を読み漁っていた時期がありました。

その中で、特に分かりやすいと思った1冊を紹介します。

『大人の発達障害 生きづらさへの理解と対処』 市橋秀夫監修 講談社



【おすすめポイント1】

ASDの特性をおさえつつ全体をざっくり把握できる


主にASDの特性に重点を置いて書かれています。基礎知識はもちろん、とくに分かりやすいと感じたのは、特性が項目立てて書かれている点です。私が読んだ書籍の多くは事例の列挙から始まる印象があったのですが、この本は、目次を見ていただくだけでも、全体をざっくりと把握することができます。特性の説明のあとに、生活や仕事で困る具体例が書かれています。さらにそのあとに、対処法が「本人向け」「職場の人向け」と分けて書かれている、という構成です。


【おすすめポイント2】

他の人と話すときの客観的な資料になるかも


当事者本人が説明しにくい「なぜそうなってしまうのか?」ということを、特性と事象を関連させ、論理的に書いてくださっています。話し合いの際などにこの本を参考にすることで、客観的な資料となり、お互いに感情論になることなく話ができるのではないかと感じました(推測ですが)。


【おすすめポイント3】

「障害」以外の視点からの記述があるのも救い


発達障害について、障害という側面だけでなく、「現代では生きにくい少数派の脳」という社会を俯瞰した視点からもはっきりと記載してくださっています。「○○ができない」といった言葉ばかりが並んでしまうと、当事者はどうしてもネガティブにとらえられがちなので、個人的には、救いでもありました。


発達障害のとらえ方は様々あるかと思いますが、個人的にはこの本に書かれている内容がとてもしっくりきたので、紹介させていただきました。

ご参考になれば幸いです。

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