保育園を路上の話し合いで決めた日
育児休暇が開けると同時の転勤で、見知らぬ土地に引っ越すことになりました。
今から28年前のことです。
ネットなどなかった時代。
現地に行って家を探し、その家の近くで保育園を探すしかありませんでしたが、それに使える日にちは1日。
見た家、1軒・・・・・。
時間がなかったのです。
それに、時期が遅く、あまり物件も、残っていないということでした。
この家については、機会があったらまたそのうちに書きたいた思います。
家が決まったら、今度は保育園探しです。
不動産屋さんにだったのか、市役所にだったのか、それすらもうあやふやですが、その家の近くの保育園を二つ紹介してもらい、子どもを連れて夫婦で見学に行きました。
保育園なんかそれまで見たこともないし、その場所も初めてなので、なんの情報もありません。
ほんとに初見・情報ゼロ!
その上、保育園選びの方針も持たない、頼りない親でした。
今の時代だったらありえない話ですね。
二つの保育園を見終わったあと、夫婦で話し合いました。
路上でです。
決めたら、市役所で手続きをし、すぐにそのとき住んでいた町に戻らなくてはならなかったのです。(←オットの仕事の関係で。引っ越しもこれからでしたし。)
AとBの保育園。
どうだった?
Bの方が明るい雰囲気のような気がしたね・・。
他に言いようがない・・・・・。
なにも知らないのですから。
誰かに聞こうにも、聞く相手もいません。
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Bにしようか・・・・。
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結局、Bの保育園のお世話になったムスメ。
で、どうだったかというと、とっても素晴らしい保育園でした。
その時の担任の先生(50代半ばの先生と20代の先生のペアでした)とは今でも年賀状のやりとりをしています。
子どもを育てるというのはどういうことかもよくわかっていなかった若い母親(30過ぎていたので、特別に若くもなかったのですが、子育てについて無知でした)の私は、最初の頃、50代の先生に注意されてばかりで、落ち着いたら違う保育園を探そうなんて罰当たりなことを考えていました。でも、落ち着く頃には、「なんていい保育園。そしていい先生!」と思えるようになっていました。本当にいい保育園だったのです!
子どもはそこで、素足で生活し、たくさん散歩をし、いっぱい読み聞かせをしてもらい、絵を描き、リズム運動をし・・・・・、なによりも愛情深く保育してもらいました!そして、新米の父と母も、この時期は子ども本位の暮らしをしなくてはならないということを、教えてもらいました。
もっとも、仕事に追われ、余裕がなく、思うようにはいきませんでしたが。
でも、間違いなく子どもはそこで、「苦手なことにチャレンジすること」「体を動かすこと」
ほんとうに、ありえないくらい偶然出会った保育園ですが、何かの折節には思い出し、そのたびオットと「ありがたかったね~」と言い合います。
こんな、幸せな偶然を「縁」というのかもしれません。
感謝。
↑の写真は、入園当時のムスメと、園庭で飼われていた犬です。