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海につかったクルマの中で「春の予感♪」を聴いたことがあるよ

むかしむかし、今から30何年か前のこと。

その日は、親戚が引っ越すというので、手伝いに向かっていた・・・。

穏やかな春の日。
左に海を眺めながら、クルマを走らせていたら、道の上を水がチョロチョロ流れているところにさしかかった。


ん、なんだ?
とは思いましたが、1~2センチの水。
なんかわからないけど、まあいいかと、そのまま突っ込んだ私。

ところが、ほんの1~2分で水は見る見る間に高さを増し、あっという間に数十センチの高さに!

そして、クルマは動かなくなりました・・・・。

何??

なんと、海の水がヌワ~っと押し寄せてきたのです。

クルマの中ではちょうどその時南沙織さんの「春の予感」が甘く流れていました。

しばし呆然。
しかしこのままではいけないということはわかります。クルマの外に出ねば。

その時私が取った行動。靴を脱ぎました。新しめの革靴を履いていたから・・・・。バカ!

大事なクルマは塩水につからせながら、革靴を胸に抱えて裸足で立ち尽くす女。

近くで、そのようすを見ていた人たちがいました。
工事現場のおじさんたちです。おじさんたちは、親切にもすぐ駆けつけてくれ、クルマを押し上げてくれました。

安全な高台に上がって元の場所を見たら、水はすっかり引いて、元の道。ほんの数分の話なのです。

呆然。

おじさんたちは口々に「もうこのクルマはダメばい」「塩に浸かったけんね~」などと言いあいます。

でもまあ、口は悪いけれど、当たり前のように、近くの自動車工場までレッカー車の手配に行ってくれたりしました。(携帯などない時代の話です)

レッカー車で運ばれ、すぐに処置を受けた車は、おじさんたちの見解に反し、その後トラブルを起こすことなく寿命をまっとうしました。

さてさてその時のふしがな現象はなんだったのかというと、なんでも「網引現象」というものだったようです。

網引現象とは

「あびき」とは、海面が短時間のうちに昇降を繰り返す現象です。 大きなあびきは、船舶の転覆、係留物の流出、家屋への浸水など の被害を伴うこともあります。
100センチを超える大きなあびきの発生は、そのほとんどが冬から春にかけての季節に多いこ とが分かっています。長崎港や枕崎港では特に3月の発生回数が多くなっています。

福岡管区気象台HPより

本当に幻のような春の日のできごとです。

あの時助けてくださった皆さん、ありがとうございました。

↑こんな歌ですよ。


#みんなでつくる春アルバム

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kakko
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