研究主任って損な役だよな・・・そんなことはない!その1
1.研究主任って損な役だよな
現在の勤務校に移動して2年目、校長から「来年度研究主任お願いします」と伝えられ、研究主任を任されることになったときに、ある先生からこんなことを言われました。
「俺も研究主任やったことあるけどさ、損な役だよな。何か新しいことをやろうとすると『なんでそんな面倒くさいことやらされるんだ』とか、研修会やろうとすると『やりたい人だけでやりゃあいいじゃん。俺はやんないよ』なんて言われてさ。だから、俺は最低限のことしかやらなかったよ。先生も嫌な気持ちになることあるだろうけど、がんばれよ」
なんとなく悲しい気持ちになったのを覚えています。本来生徒の学力を上げるのが教師の仕事なのに、研究主任ってそんな仕事なのか、と思いました。
主任と言われるポジションでも、年齢だけを重ねた先生が仕方なくやる役職と考えていた時期が私にもありましたが、「果たしてそうなんだろうか」と考え始めました。
そして研究主任3年目。少しずつの変化を、でも確実に積み上げて、先生方の意識も変わってきたように思います。おおよその仕事もわかり、仕事に追われるというよりは見通しを立てて、仕事を追うようになりました。最初の年はまったく仕事が分かっておらず、年配の先生方からちょいちょいクレームが来てましたが、今は先生方がやらされるよりやりたくなるように授業研究に関心をもち、改善を図ることができるように環境づくりをしていると感じています。3年目に研究主任としてやっていることを何度かに分けてまとめます。
2.1つ目の取組 ミニ研修会を職員会議の後に
前任の研究主任のころから年に2回程度研修会を行っていました。年度初めに、研究の概要や全体で取り組むことについての説明が1回目、成績の付け方が2回目という流れだったと思います。しかしこれでは不十分だと感じていました。先生方も日常的に授業のことについて話題にするということはなく、授業に行き詰ったときに相談することもできない雰囲気だったと周りの先生方も話していました。
そこで、職員会議のあとに30分程度のミニ研修会を「毎月」行うことを考えました。しかし、何か変えようとすると必ず抵抗勢力が現れるもの。2年目にミニ研修会を行おうとしましたが、「なんでそんなに毎回やるんだ。職員会議の後に学年部会をやっていたのに・・・」「研修なんていらない、やりたい人でやれば?早く帰りたいよ。今は働き方改革、業務削減の時代でしょ?」という無言の圧力を感じました。
そこで、まずは2か月に一度のペースにすることにしました。そして30分を超えないこと、研究主任がしゃべりっぱなしの講義形式ではなく、グループワーク中心の研修にしたり、講師としてその分野に秀でた先生に話をしてもらったりするなど、「楽しい!」「なるほど~」と思えるようなものにしました。
3.あるミニ研修会で
年度終わりころのミニ研修会で、「この先生からこんな話を聞きたい!」というリクエストを若手の先生方からもらい、リクエストを受けた先生方に講師になってもらい、4か所同時でワークショップを開くという研修を行いました。聞きたい話をしてくれる先生のところに集まり参加するという形式です。
ミニ研修会に乗り気でなかったA先生という先生がいます。そのA先生は「総合的な学習」について相当研究しており、中学生の興味のありそうな新聞記事を集めていたり、テレビ番組を録画したりしていました。そのA先生と同じ学年になったときは、その資料の豊富さや綿密な計画に驚いたものです。そのA先生に「総合的な学習のネタ集めと計画の立て方」についてお話してもらえませんか?と持ち掛けたところ、最初はめんどくさそうにしていたものの、研修当日、A先生が何十年もためていた新聞のスクラップをもってきて、こうやってネタを集めているんだとか、講話をしてくれそうな専門家とのつながり方についてお話をしてくれました。ミニ研修会後には、他の先生方からも「面白かったね~」と感想があり、A先生も満足したようでした。
この研修会が結構好評で、ミニ研修会いいねという雰囲気になったエポックメイキングな研修だったと思っています。そして、今年度は毎月の職員会議でミニ研修会を行っています。
さて今回はここまで。