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文楽『碁太平記白石噺』②(奥州編)

2022年9月、東京の国立劇場、文楽公演。
同年同月19日、第一部で鑑賞。
全十一段の内、田植の段(四段目)、逆井村の段(五段目)の上演。逆井村の段は51年ぶりの上演。

◼️メモ
1651年(慶安4年)の由比正雪の乱を、名を憚って、後太平記の世界で描いています。
南朝再興・北朝打倒を目指す物語に、宮城野・おのぶ姉妹の敵討ちの物語が混ざり合っています。

◼️田植の段
宮城野・おのぶ姉妹の敵討ちの発端となる父・与茂作殺しが描かれます。

◼️逆井村の段
1)今後、調べたい点
・浪人の谷五郎が武者修行をして「一国につき一つの首塚を築いてきた」という下りがありますが、江戸時代の武士の世界では、合法だったのか。
・仇討の頻度

2)印象に残った場面
・おさよ(与茂作の妻・姉妹の母)の独白
・兵部助が姉妹に、自分の家がある由比ヶ浜(=由比正雪)に来るように言い、姉には長刀・妹には(手慣れた)焼鎌を教えて、敵を討たせることを約束する場面。
・谷五郎と兵部助が見栄を切る場面。特に、谷五郎が衣装を引き抜いて、これからの北朝との戦いを予言する場面。「もしも天運至らずば固めの場所を一足去らず、腹かつ捌き討死の末世の手本になすべし」。イヤホンガイドでは、軍師諸葛亮孔明の名前も出ていました。

◼️調べたこと
公演プログラムに、口・奥・中・切という区分がなされていました。

以下、ジャパンナレッジの人形浄瑠璃より引用。
太夫は本来1人で一段を受け持っていたが、のちには一段を2、3人で分担するようになった。この場合、初めの部分を口 (くち)、次を中 (なか)あるいは次 (つぎ)、最終部分を切 (きり)とよび、切が最重要の部分でとくに切場 (きりば)と称し、これに対して口、中、次を端場 (はば)という。
引用ここまで。

◼️その他
公演プログラムを見ながら振り返り、本文を書くこともあるのですが、本当によく作られた冊子だと思います。

以上です。

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