ほろ苦い初恋を糧にして
目次
・中学校2年2組にて
・嫌われたくなくて。。。
・クラスの友人Aくん ・3年3学期 ・初恋の終わりには
中学校2年2組にて
中学生に上がるまで、私は恋愛という恋愛をしたことがありませんでした。回りの友人の中には小学校の頃から付き合っている子がいたり、好きな子がいたり、私は恋愛にまるで興味がなかったので「ふーん」っと言った様子で話を聞いていました。
中学生になり心なしか異性を意識し始めるようになりました。
中学2年の始業式、クラス分けが行われ、不安と期待が入り交じった気持ちで新しいクラスメイトと会うのを心待ちにしていました。
始業式が終わり、特に廊下で無駄話をする訳でもなく、早めに新しい教室の自席に座ってぼーっとしていました。そうしながら、次々と教室の小さなドアから入ってくる新しいクラスメイトを見ていました。
そこで、私は一人のクラスメイトに人目惚れをしてしまいました。
嫌われたくなくて。。。
クラスメイトに人目惚れした私でしたが、話しかけに行こうにも話しかけにいけませんでした。話しに行っても緊張して、おどおどして、変なやつと思われるのが怖かったからです。
何の関わりもなく、会話を交わしたのも一、二回程度。2学期が終わろうといていました。
クラスの友人Aくん
2学期が終わる頃、私は友人Aくんからある相談を受けます。
「○○に手紙で告白されたんやけど、どうしよう?」
手紙の送り主は、一目惚れしていたクラスメイトでした。特に私が人目惚れしていたことを、Aくんに話していなかったので、Aくんはそんなこととは思わないまま私に相談してきました。私は苦し紛れに
「Aが好きやったら、付き合ったらいいんじゃない?」
と答えました。
数日後、二人は付き合うことになりました。私は
「良かったやん!」と作り笑みを浮かべながら言いました。悲しいような、情けないような、言いようのない切ない気持ちが胸の中に充満しました。
3年3学期
3年生の夏、彼女と友人Aくんは分かれました。友人Aくんから別れ話を切り出したそうでした。理由は受験勉強に集中するため。それを聞いたて、私は「たかが勉強で別れてしまうんか。」となんだか失望した気分になりました。彼女と友人Aくんが付き合うことになって、すっかりあきらめていた私はその二人のことを応援するような気持ちでいました。
というよりか、そう思わないと気持ちの置き所のがありませんでした。
なので、別れたからといって「チャンス到来」という感じでもなく、彼女とはクラスも同じでしたが、普通のクラスメイトとして接していました。
3年3学期、たまたまクラスの係決めで同じ風紀委員に選ばれました。席替えで席もとなりになり、「別に意識していない」と自分に言い聞かせていましたが、内心は嬉しさいっぱいでいました。
授業でも学級活動でも、関わる機会が多いと次第に会話も増えていきました。受験シーズン真っ只中で受験が共通の話題になって、なんとなく仲良くなれたのかなと思っていました。
そこで、「思い切って告白してみよう」と思うようになりました。ケータイも持っていなかったので、卒業したらおそらく会う機会はありません。少しだけ会話もできるようになったし、最後に一度気持ちをちゃんと伝えようと自分の気持ちを一歩前に進めました。
初恋の終わりには。
ある日の放課後、友人にも協力してもらって、告白の場を作ってもらいました。「2年の頃から好きやって。。。大切にするから付き合ってほしい。。」
言葉足らずでしたが、自分の気持ちをしっかりと伝えました。返答は「考えさせてほしい。」と一言。
結局、付き合うことにはなりませんでした。切ない気持ちは残りましたが、思いの丈を伝えられたことで、心のもやもやが消えたような満足感もありました。
そのあと一連のことを知っていた彼女の友人にお願いして、「告白を断ったことに対して、気にしないでほしい」ということを伝えてもらうようにしました。受験シーズンだったこともあり、中学生の私なりのきづかいでした。
もちろん、振られたことに落ち込んでいなかった訳ではありません。ですが、私の中の整理できない感情が何故かしら、そうさせたのでした。
ほろ苦く、切ない初恋は、今でも心の中に染みついています。悪い経験としてではなく、価値観の土台になる大切な経験として。