最後の排骨(パーコー)麺
きのうは天気が悪かった。
やった! と思った。
秋葉原「万世」の肉ビルが今月末で営業終了。
それとともに、パーコー麺が食えなくなるかも、と言われている。
私は、最後のパーコー麺を食いに行く機会をねらっていた。
しかし、パーコー麺の危機が世間に知れてから、毎日行列が出来ていると聞いてた。
私は年寄りの神経痛もちだから、長い時間行列に並ぶのはつらい。
東京に出る機会もまれだ。
きのうはたまたま、珍しく東京に用があった。
そして天気が悪い!
行列も短いにちがいない!
チャンスだ! と思ったのだ。
開店時間の11時に行くつもりだったが、小田急のせいで遅れた。
サラリーマン時代から、「小田急のせいで遅れた」と言えば、みな納得するのを知っている。
小田急が遅れていたのは事実なのだが、本当は、秋葉原駅に着いたとたん、中国人のおっさんに道を聞かれたから遅れたのだ。
天気が悪いのに、秋葉原は、白人とアジア人のインバウンドだらけだ。
私が日中友好に時間をついやしているうち(しかもお互いカタコトの英語で結局話は通じず)、「万世」着は11時半になっていた。
雨の中、すでに30人くらいの列ができていた。
まずは食券を買わなければならない。(写真)
ここは、ダブル・パーコー麺でしょ!
1250円は高すぎて痛いが、長年の感謝をこめた餞別だ。
冷たい雨の中、食券を握りしめて、列に並ぶ。
回転がよく(店内は意外に広くて座席数が多い)、15分ほどで店に入ることができた。
しかも、パーコー麺が出てくるのが早い。
そりゃそうだ、みんなたのむのはパーコー麺だから、店はひたすらパーコーを揚げていればよい。
来ました、ダブル・パーコー麺。
秋葉原で、新宿西口で、数えられないほど食べた味だ。
やっぱパーコーはうまいなあ・・
と夢中で食べ進んだが、途中で、
あ、ダブルは、ちょっと重すぎたかも・・
と感じ始める。
脂身の多いパーコーが、もたれそうな予感。
自分はもう若くない。老人の胃には、ヘビーすぎたかも・・
「大盛」にしなくてよかった、と思う。
でも、最後と思えば、残すことはあり得ない。
目の前のテレビでは、大谷翔平がなんか喋っている。
それを見ながら、完食しました。
みな、店を出る時、万感の思いを込めて
ごちさうさまでした
と店員さんに言っている。
わたしもそう言って、満足して店を出た。
さらば、肉ビル。
長い間、ありがとう!
(その後、胃もたれに苦しんだ。でも、それもふくめて思い出だあ)
<参考>