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バブルガム名曲集 ベスト13+1

「バブルガム」とは何か。

簡単に言えば、1960年代後半から1970年代前半にかけて、英米で生産された子供向けのポップロックです。

ティーンというより、ティーン以前の小学生も対象にしているので、、「バブルガム(風船ガム)」を噛むような子供のための音楽、となったわけです。

キャッチーで、子供にもわかりやすく、アップテンポで楽しい曲調、というのが特徴です。

より詳しくは、別記事「ロック派 VS ポップ派」をご参照ください


以下は、1960年代後半から1970年代前半、私が子供時代にリアルタイムで聴いて、大好きだった「バブルガム」の名曲です。

「バブルガム」の定義は人それぞれで、代表曲とされるもの以外は、それに含まれるかどうか議論があることをご承知おきください。



「サイモン・セッズ Simon Says」 1910 フルーツガム・カンパニー

(1967)

「バブルガム」の代表曲。日本で「船長さんの命令」と呼ばれる子供の遊びをただ解説してるだけの歌詞。

1910 フルーツガム・カンパニーは、架空のバンドのようだが実在し、ピンク・フロイドとともに来日コンサートをおこなったというから驚く。

でも1970年に解散した。


「シュガー、シュガー Suger, Sugar」アーチーズ

(1969)

「サイモン・セッズ」とともに、「バブルガム」の代表曲とされる。

アーチーズは、アニメ番組のために作られた架空のバンド、というところもバブルガムっぽい。


「ヘンリー8世君 Henry The VIII, I Am」ハーマンズ・ハーミッツ

(1965)

ハーマンズ・ハーミッツは、いわゆるブリティッシュ・インベイジョンの一員で、60年代前半にビートルズ並みの人気を誇った。この曲を「史上最もふざけた曲」と紹介するブログに、以下の訳詞が載っていました。

僕はヘンリー8世
ヘンリー8世だ
僕の結婚相手は、隣りに住む未亡人
彼女の過去の結婚相手は7人
皆が皆、名前がヘンリーさ
ウイリーやサムじゃダメ
で、僕は8番目のヘンリー
それでヘンリー8世ってわけさ
さあ2番、歌詞は1番と同じさ。


最高に馬鹿っぽいこの曲は「バブルガム」の先駆と評価される。ヴォーカルのピーター・ヌーンは最近までソロ活動していて、ジジイになってもこの曲を歌っているのをYouTubeで見た。


「モンキーズのテーマ Theme form The Monkees」モンキーズ

(1965)

TVショーとしての「モンキーズ」は、ビートルズの映画「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」と「ヘルプ!」から着想を得ていた。

のちにモンキーズのメンバーがジョン・レノンに会ったとき、「僕らのことを知ってますか?」と恐る恐る聞いたら、「僕らのお笑い版だろ。最高だ。いつも見てるよ!」と答えたという。

メンバーとして集められたのは俳優たちだが、マイク・ネスミスのようにすでに音楽家として実績ある者もいた。また、ピーター・トークもインディーズのミュージシャンで、他のメンバーも音楽の素養はあった。ちなみにデイビー・ジョーンズは、「自分たちはアグレッシブなバブルガムだ」と言っていた。

モンキーズには名曲が多く、欧米でも再評価が進んでいるようだ。

私は、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」などはまったく名曲とは思わず、モンキーズの「ホワイ・アム・アイ・ドゥーイング・ハンギング・ラウンド」のほうがよっぽど名曲だと思う。マジで。

ビートルズのサイケデリック曲「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」より、モンキーズのサイケデリック曲「ポーポイズ・ソング」のほうがいいと最近は思っている。モンキーズ後のマイク・ネスミスの曲もよい。

モンキーズは何度も再結成されたが、残念ながら、現在生きているのはミッキー・ドレンツだけになっている。


「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ  Ob-La-Di, Ob-La-Da 」ビートルズ

(1968)

この曲については、別記事「ロック派 VS ポップ派」をご参照ください。


「帰ってほしいの I Want You Back」ジャクソン5

(1969)

マイケル・ジャクソンを擁するジャクソン5を、モンキーズと同じカテゴリーに入れるのは大いに抵抗がある。でも、「ABC」やこの曲は、「バブルガム」に入れられることがある。

「バブルガム」であろうとなかろうと、素晴らしいパフォーマンスで、聞き惚れる。

ピアノのグリッサンドで始まるこの名曲は、映画「カメラを止めるな」のエンディングに編曲して使われ、復活していた。


「夜明けのヒッチハイク Hitchin' a Ride」ヴァニティ・フェア

(1969)

ヴァニティ・フェアはイギリスのバンドで、この曲はアメリカでミリオンセラーになった。

アメリカとイギリスの「バブルガム」のちがい、という議論もされているようだが、私にはよくわからない。アメリカから見て、イギリスの「一発屋」が、「バブルガム」認定される傾向があると思う。

でも、ヴァニティ・フェアは、典型的な一発屋のようだが、現在も活動中というから驚く。


「悲しき初恋 I Think I Love You」パートリッジ・ファミリー

(1970)

1970年から始まったアメリカのTVドラマ「パートリッジ・ファミリー」中の架空のバンドが歌うヒット曲。絵に描いたようなバブルガム。

パートリッジ・ファミリーは、「雨に消えた初恋」で有名な家族グループ、カウシルズにインスパイアされた。


「雨に消えた初恋 The Rain, The Park & Other Things」カウシルズ

(1967)


この曲は、1960年代屈指の名曲ですね。「フラワーガール・ソング」とも呼ばれる。ハープのグリッサンドを史上最も贅沢に使った曲かも。エコーたっぷりの録音とともに、夢の中のような効果をあげている。

カウシルズは実在のグループで、バブルガム黄金期に活動した。現在も生き残った家族で活動中。


「恋のほのお Love Grows (Where My Rosemary Goes) 」エジソン・ライトハウス

(1970)

我々の世代にはひたすら懐かしい曲。イギリス発の「バブルガム」の代表曲にあげられる大ヒット曲だ。

「彼女は、変人だけど、行く先々で愛をはぐくむ」という歌詞は、女の子のインスタグラムBGMにぴったりなので、欧米で再びヒットしているという。

この動画に写っているエジソン・ライトハウスは、実際には活動していない架空のバンド。

ボーカルのトニー・バローズ(Tony Burrows)は、この曲をふくめ、複数の架空バンドで「一発屋」のヒット曲がある、不思議な運命のミュージシャンだ。もう80歳を超えているが、ソロ歌手として活動中という。


「イン・ザ・サマータイム In The Summertime」マンゴ・ジェリー

(1970)

マンゴ・ジェリー(マンゴ・ジェリー・ブルース・バンド)もイギリスのバンド。

この曲は全世界で3000万枚売れて、「イギリスのバンドの最も売れたシングル」としてギネスブックに載っている。

この曲が「バブルガム」というのは私にはピンとこないが、好きな曲なので入れました。

アメリカ人から見て典型的な一発屋に思えるからでもあるだろうが、マンゴ・ジェリーは、上記のヴェニティ・フェア同様、現在も活動中。


「ワン・バッド・アップル One Bad Apple」オズモンズ

(1971)

「オズモンド・ブラザーズ」として1965年から活動し、この曲から「オズモンズ」に改名した。

オズモンズは、日本のお茶の間でもCMでお馴染みだった。彼らの曲「クレイジー・ホース」をフォーリーブスが歌っていたのを覚えている。別稿で書いたように、ジャニーズタレントの原型となったグループだ。

この曲でのダンスは、「バブルガムダンス」と呼ばれる。ジャクソン5をビンビンに意識して真似しているのが分かるが、実力の差は如何ともしがたい。

この兄弟バンドもいろいろあったが、オズモンズも、オズモンズから抜けたダニー・オズモンドも、現在も活動中。


「シュガー・ベイビー・ラブ Sugar Baby Love」ルべッツ

(1974)

バブルガム全盛期の掉尾を飾る曲。ルべッツもイギリスのバンド。ドゥーワップとバブルガムのセルフパロディのような曲だ。こんな「口パク」の「ライブ」は、その後は通用しなくなる。

日本のWinkによってカバーされた。


「シュガー・ベイビー・ラブ」Wink

(1988)



以下は、参考にさせてもらった、バブルガム音楽の歴史を知るのに有益な動画↓

The Golden Age of Bubblegum Music



<参考>


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