正月の祝祭

日本人はもう正月らしいことをするのを、やめてしまったようだ。

門松なんて、久しく見ないし。

しめ飾りをした車も見なかった。

羽子板をついたり、凧をあげたりする子供も見ない。

年賀状も来なくなった。

私も初詣に行かなかった。

今に始まったことではないかもしれないが。

もともと、私のような年金生活者は、毎日正月みたいなものだ。

あるいは、祝日の感動がない、平日だけの世界である。

それでも、少しは正月気分を味わいたい。

正月気分で、ハメを外したい。

そこで日高屋に行った。

日高屋の正月休みが明けた日に、すぐ行った。

そしてラーメン、餃子にビール、を頼んだ。

健康志向の私が、ふだんは絶対にしない野蛮な食事である。

若い時なら、これに半チャーハンをつけるところだが、流石に年齢的にもう無理だ。

でもラーメン餃子ビールだけで、十分な背徳感と非日常感を味わうことができた。

体にいいものが一つもない！　

ああ、これで血圧が上がり、血中脂質が増え、動脈硬化が進み、本当に良かった。

日高屋は年末に値上げして、３９０円のラーメンが４２０円になった（俗にいう日高屋ショック）。

それでも、この３点セットで、計１０９０円はありがたい。

何かもう一つダメ押ししたくて、帰りにスーパーでショートケーキを買った。

家に戻り、そのショートケーキを貪り食うという罪を重ね、私の正月は終わった。