どんど焼きと安倍晋三暗殺事件
わたしは地域に根差して老後を送りたいと思っている。
つねづね地域社会に溶け込んで生きたいと考えている。
そうでないと、神奈川の土人が何するかわからん。
わたしはここでは新参者だ。いつもびくびく、原住民のいじめにあわないか、村八分にあわないか、おそれながら過ごしている。
このあたりにはどんど焼きという習俗があるという。
都会育ちのわたしには馴染みがない土人文化だ。
わたしはつねづねこうした未開の文化にも理解あるリベラルでありたいと思っている。
14日、柿生原住民との異文化交流のため、どんど焼き会場にむかった。
会場は、柿生アルナ園とかいう老人養護施設だ、と知らされている。
わたしが知らない場所で、まずどこにあるかわからない。
グーグルマップの経路検索に沿って、入り組んだ細い道をとおり、そのアルナ園の入口までいった。
だが、どんど焼きの会場はそこではなく、本当の会場は、そこから大きく回り込んだ別の場所だった。
さっそく、原住民の意地悪が始まっている。そう思った。
朝10時から始まると聞いていたが、わたしが着いたのは20分前だった。
すでに異教の祭壇のようなものが組まれている。不気味だ。
会場では、なにか得体のしれない料理がふるまわれていた。
たぶん狸汁か何かだろう。
いや、もしかすると、あれはゴミ出しルールを守らない新参者とかを原住民がなぶり殺してつくった人肉スープかもしれない。
不気味だ、何もかもが不気味だ、と思った。
そのうえ、すごく寒い。
そうすると、会場の司会らしき人が、
「きょうは、県会議員とナントカさんと、国会議員のナントカさんが来てくれております!」
とアナウンスする。
「みなさん、せっかくですから、議員さんと交流しましょう」
見ると、地元選出の立憲民主党議員がいた。
立憲民主党・・・。
安倍晋三の国葬に反対したやつらではないか。
とたんにわたしは不愉快になった。
その議員が、人肉スープをくらいながら、わたしのほうに近づいてきた。
選挙民の機嫌をとる、そのニマニマした笑顔を見ると、
お前ら・・お前らが安倍晋三を殺したようなものだ!
代議士の胸倉をつかんでそう叫びたくなった。
ここに集まってるやつらも、立憲民主党の仲間か。
お前ら全員、敵だ!
みんな、どんど焼きの火でーー子供を除いてーー軽度のやけどを負いやがれ!
と心の中で毒づいた。
これ以上、精神が荒れ狂う前に、わたしは会場から離れることにした。
会場をあとにしながら、安倍晋三暗殺事件が、わたしの心を深く傷つけ、PTSDっぽくなっていることを自覚した。
気分を治すために、片平でやっている別のどんど焼き会場(片平中村通公園)にはしごすることにした。
でも、そっちのどんど焼きは11時からということで、まだ準備が始まったばかりの状態だった。
そこで少し待とうかとも思ったが、寒いし、こちらにも立憲の政治家が回ってくるかもしれない(そのために時差を作っているのかもしれない)と思い、家に帰ることにした。
結局、どんど焼きの本番を見ることなく終わった。
地域社会に溶け込むのはむずかしい。
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