見出し画像

【川崎市】止まったプロジェクト ブルーライン延伸、柿生駅前開発、遊園リゾート化

コロナ前に華々しくぶち上げたが、コロナでぐだぐだになったプロジェクトは「オリンピック」「大阪万博」だけではない。

日本中にたくさんあるだろうが、ここではウチ(川崎市麻生区柿生)周辺で、コロナ後も進まぬプロジェクトを3つ挙げる。



1 横浜地下鉄ブルーライン延伸計画

・2030年開業はヒジョーにキビシー

横浜市営地下鉄ブルーラインを延伸させ、横浜市の東急田園都市線「あざみ野」と、川崎市の小田急線「新百合ヶ丘」を結ぶ計画。

2019年1月23日に横浜市と川崎市が事業化を決定、2030年開業とされ、大きな話題となった。

新百合ヶ丘の地価が上昇したのも、この計画のおかげと言われた。

「あざみ野」「新百合ヶ丘」間に3つの新駅が予定されている 横浜市資料より


ところが、このプロジェクトが進んでおらず、2030年開業は無理だと言われはじめている。

事業の停滞を先月、東京新聞が報じた。


横浜市営地下鉄ブルーラインの川崎市への延伸を巡り、川崎市が2021年度と22年度に計上した関連予算が連続して未執行だったことが22日、川崎市議会決算審査特別委員会まちづくり分科会で明らかになった。岩隈千尋議員(みらい)は「事業が停滞し、鉄道事業許可取得に向けた国との協議が整っていない。目標の30年開業は難しいのではないか」と市側にただした。

藤原徹・まちづくり局長は(中略)開業時期が遅れるかどうかの見通しには言及せず、「今後も横浜市と連携し、早期の鉄道事業許可取得に向け、国との協議、調整に取り組む」と述べるにとどめた。

(東京新聞9月23日)


東洋経済も記事にした。


今後着実に進展したとしても2030年の開業目標が果たせるかどうかは見えない。一般論として、地下鉄建設は時間のかかる工事だ。例えば、路線延長は異なるものの、市営地下鉄グリーンライン(約13km)は2001年に着工、2008年3月に開業しており、実際に工事に着手してから約7年かかっている。

横浜地下鉄ブルーライン「延伸」は進んでいるのか(東洋経済10月27日)


東洋経済は、

「2023年3月に開業した東急・相鉄新横浜線は予定時期を2度延期するなど、鉄道の新路線建設が遅れることは珍しくない。」

と、延期になっても実現するだろう、と楽観的だ。

だが、時間がたつほどに実現が遠のく気がするのは私だけか。

(川崎市はかつて、新百合ヶ丘駅ー川崎駅の地下鉄計画を、15年あたためて廃止した「前科」がある。)



2 柿生駅前南地区再開発(川崎市麻生区)

・2021年着工予定が、いまだ着工せず

私の地元、柿生駅前に、30階建て高層ビルを建てるプロジェクト。

2018年に川崎市と柿生住民の「まちづくりビジョン」が策定され、2021年着工、2024年竣工予定だったのに、いまだ着工されず。

当然、2024年に高層ビルはできません。


柿生駅前南地区市街地再開発準備組合(川崎市麻生区)は、小田急小田原線・柿生駅前に地上30階、地下1階、延べ面積約37,500㎡の超高層マンションを計画しています。 低層部には商業施設や子育て支援施設も整備する予定です。 事業協力者はフジタ。 当初計画では、2021年4月に着工し、2024年10月に竣工する予定でした。
(「日本の超高層ビル」より)


川崎市資料

YouTubeの「妄想MAP」チャンネルは、柿生駅前に30階建てビルが建った様子をCGで描いていた。

YouTube「妄想MAP」より


30階建てビルが建設されているはずの柿生駅南口では、今年もにぎやかに「柿まつり」が開催されていた。

恒例の柿の皮むき大会をやっているところ 10月14日撮影


再開発計画がどうなっているのか、説明がない。

30階建て高層ビルは後回しでも、私はかまわない。とにかく駅周辺の交通量の多い狭い道をなんとかせい。歩くたびに命の危険を感じる。



3 向ヶ丘遊園跡地利用計画(川崎市多摩区)

・2023年度オープン予定がまったく進んでない


小田急電鉄が2018年にぶち上げた「向ヶ丘遊園跡地利用計画」。2002年に閉園した向ヶ丘遊園が、今年度、新たなリゾート地に生まれ変わるはずだった。

「人と自然が回復しあう丘」を開発コンセプトに、跡地全体を「商業施設エリア」「温浴施設エリア」「自然体験エリア」の3つのゾーンに分け、身近なレジャーやちょっとした非日常を感じられる特別な空間や体験を創出します。あわせて、地域に新たな付加価値の提供を図るとともに、「自然、文化・芸術、教育」といった既に地域に存在する豊かな資産をつなぐハブ機能としての役割を果たします。今後は、2023年度の竣工を目指し、計画の具体化を推進するとともに、近日中に川崎市の条例に基づく環境影響評価手続きに着手する予定です。
(小田急電鉄プレスリリース 2018年11月30日)

小田急プレスリリースより


この計画が進んでないことは、遊園跡地を実際に見てきた以下のルポで触れた。

ほとんど手つかずの向ヶ丘遊園跡地エントランス部分 一部で伐採工事などがおこなわれていたが、2023年度竣工はとても無理(10月21日撮影)



ブルーライン延伸計画の未達について、市の担当者は、

「(20)20年からのコロナ禍に伴う新たな生活様式や、物価高騰による社会経済情勢の変化など、顕在化した新たな課題への対策の検討に時間を要している」

と述べた(上掲東京新聞記事)。

これは、上に挙げた3件にたぶん共通の事情だろう。

地域を巻き込んだ大プロジェクトなので、現状と今後の見通しについて説明責任がある。

いずれも、たぶん2023年度中に、何らかの説明がなされると思う。

参考地図(グーグルマップ利用)


その他のウチ周辺プロジェクト


リニア新幹線

リニア新幹線の2027年開業は困難とJR東海も認めているが、これはコロナではなく、ご承知のとおり静岡県のせいだ。
相模原市の「神奈川県新駅」建設は予定どおり進んでいる。
ウチ近辺では、東百合丘(ヨネッティー王禅寺付近)と片平/能ヶ谷に非常口建設進捗中。


津久井道拡幅工事

都心から町田までをつなぐ都県道「世田谷町田線」。都内で「世田谷通り」と言われ、神奈川に入ると「津久井道」と言われる。「のろのろ1本道」と言われたが、その拡幅工事がコロナ前から延々とおこなわれている。毎日のように工事をがんばってる姿を見てるので、悪くは言いたくない。ウチの近所(柿生駅周辺)を優先してやってほしいが、まだ時間がかかりそうだ。


東京ジャイアンツタウン

稲城市のよみうりランド隣接地に建設される「東京ジャイアンツタウン」(読売新聞東京本社、読売ジャイアンツ、よみうりランド主体)は、新ジャイアンツ球場、水族館、飲食・スポーツ施設を含むアミューズメント施設。今年1月に計画発表された。グランドオープンは2026年度予定。隣接のHana-Biyori(フラワーガーデン)内で2024年3月オープン予定の温浴施設含め、問題なく進捗している模様。(このままでは向ヶ丘遊園跡地開発より先にオープンしそうだ)


ヤオコー新百合ヶ丘店

私の生活にいちばん影響ありそうで、いちばん期待してるのはこれだったりする。
2022年に営業終了したフットサルクラブ跡地に建設中のスーパー「ヤオコー」。新百合ヶ丘では、イオン、イトーヨーカドーにつぐ第3勢力となりそうだ。
2024年1月開業予定が延期されていたが、同年9月オープンで進んでいるようだ。(ただし、私が現場で見た建築看板では、工事完了は同10月31日となっている=下の写真参照)


麻生区上麻生3丁目のヤオコー建設予定地
以上、10月9日撮影 雨の中だったので見にくくてすまん


<参考>


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?