同じ記者クラブでも「日本記者クラブ」と「記者クラブ制度」を混同しないで ーー自民党討論会の「偏向」問題
18日に行われた日本記者クラブ主催の自民党総裁候補討論会が「偏向」だと批判されている。
河野と岸田を贔屓し、高市早苗を軽視したという、主に高市支持者からの非難のようだ。
それで「記者クラブ」がツイッターのトレンドワードになり、「記者クラブをなくせ」とSNSで声が上がっている。
その討論会を見ていないので、それについては何とも言えないが、私が言いたいのは、
「日本記者クラブ」と「記者クラブ制度」を混同するな
ということだ。
普通に言われる「記者クラブ」は、官庁や警察に「部屋」を持ち、既成マスコミの記者が詰めて、ネタをもらうという場所だ。
部屋代や光熱費の大方を官庁や警察が持つにもかかわらず、そこで得られるネタは既成マスコミ独占で、フリーランスその他は「クラブ」に入れない。日本独特と言われる制度である。
取材先との癒着ぶりと、その排他性により、ジャーナリズムの質を低下させていて、国際的にも非難の的になっている。通常言われる「記者クラブ問題」とは、こちらのことだ。
で、「日本記者クラブ」というのは、それとは別で、運営費はマスコミ自身が持ち寄って出している、親睦団体である。性格は違うにせよ、「日本新聞協会」などと同じ、業界団体の一つだ。
そして、新聞記者の天下り先の一つでもある。
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まとめると、
日本の「記者クラブ制度」は、政治権力とマスコミ権力との癒着、既得権益擁護、に関連する、構造的問題だ。
「日本記者クラブ」は、既成マスコミ同士でよろしくやっている、特権クラブみたいなもの(産経新聞などは入っていないらしい)。
この二つは別なので、混同しないように。
「記者クラブ制度」は有害だが、「日本記者クラブ」の方は、ただの親睦団体だから問題ないと思われていた。
日本の「記者クラブ制度」を最初に批判したのは、取材から排除された「外国特派員協会(いわゆる外人記者クラブ)」であった。「日本記者クラブ」は、この「外人記者クラブ」と同様の組織である。
ちなみに、高市応援団の一人である桜井よし子は、最初は「外人記者」(クリスチャンサイエンスモニター記者)であり、この外人記者クラブの役員でもありました。
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「記者クラブ制度」は有害、「日本記者クラブ」は本来無害、とはいえ、どちらも要らないと言えば、要らない。
新聞協会賞とかいうモンド賞みたいな奴を決める日本新聞協会もそうだが、業界団体がデカイ顔をしている業界というのは、もう古いのだ。
しかし、「業界団体」と「系列」で経営を守る、という、いにしえの「日本的経営」システムそのまんまを、まだ続けているのがマスコミ業界だ。
スクラムを組んで既得権を守る談合体質、新規参入を認めない排他性、そういう内輪の論理だけで動いているこの業界は、日本の進歩を遅らせるガンの一つになっているのは間違いない。
今回批判の的になったのを機会に、日本記者クラブも日本新聞協会も廃止されればいいと思う。