4月11日(火) 晴れ
「命を吹き込む」という言葉をふと考える。
この言葉の意味は、使い古されたものに手を加えて新たによみがえらせること、生き物でないものにデザインや装飾などを加えてあたかも生命が宿っているように表現すること、とある。
どうして「吹き込む」なのだろうと考えた。命=呼吸というのも納得いくが、どちらかと言うと命が与えられてから呼吸が始まるので順番が違う気がする。それに響きが少し外国語っぽい。
そこで英語ではどう言うのかを調べてみる。インターネットの検索結果によると "breathe life into"(命を吹き込む)や "infuse life into"(命を注入する) と言うらしい。ひとつ目のは、もうそのままである。やはり英語から来ているのだろうか。
もっと古い言い方で、"inspire" も命を吹き込むと言う意味があるらしい。面白いことに、この言葉の語源はラテン語の "in"(なかに)と "spiro"(息を吹き込む)らしいのだ。だからインスパイアされたというのは、息を吹き込まれひらめきや活力を与えられたということになるわけである。さらに、"spirit"(精神)という言葉も同じ"spiro"から来ていて、聖書では神様が土で作った人の型に息を吹き込み命を与え、その吹き込んだ息が"spirit"と呼ばれているらしい。
なるほど、これで全ては繋がった。日本語の「命を吹き込む」もおそらくだがこれを翻訳された言葉で、もともとはキリスト教の神様の "息" から始まった言葉なのだ。ああ、納得。