自分はどんな作家になりたいか
自分はどんな作家になりたいか、どんな世界観をマンガの中で達成したいか考えてみました。
こんな作家になりたい
私の目標は結城浩先生です。『数学ガール』のような数学や暗号についての入門書をはじめ、文章の書き方やメンタルの整え方など、広い分野で情報発信をされています。
結城先生の公式サイト▽
結城先生の文章は読者のために書かれていて、いつも簡潔で読みやすく、魅力的です。感情や偏見で結論を出すことなく、丁寧に一つ一つ問題を解きほぐし、答えを提示してくださいます。
結城先生は作家であり、生活の実践者でもあります。文章や生活の様子、デジタルな環境を工夫され、たくさんのトライを日々行われています。
結城先生の文章や御著書を拝読すると、頭の中が整うと同時に心も落ち着き、ああ急ぐことはない、ありのまま一歩ずつやっていけばいいと思えます。
私も結城先生のように、生活も執筆・創作も一つ一つ積み重ね、かつ読者の方の力を抜き、その力が発揮されるような作家になりたいです。
どうしてそう思ったか
これには私の中学校時代が大きく影響しています。
私はとても恵まれた子供で、中学生くらいまで何かに苦労したことがほとんどありませんでした。努力することも楽しく、苦にならず、むしろ苦しいことがあるとそれを楽しむような性格でした。
しかし、人のできないところを見下したり、部活動のチームメイトに辛く当たることが多くありました。正直に告白すると今もその要素は残っていて、普段の生活の中でも顔を出すことがあります。
こうして人を見下しながら、私は教師を目指していました。自分が思う正義、正しいことを教え導こうとしていたのだと思います。
自分が思う正しいことを人に伝え、教え導こうという姿勢自体は、それほど悪いものではないと思います。しかし、このときの考えには「相手のことを考えていない」という問題があります。
人は誰でも、自分のペースや合っている環境、考え方、価値観をそれぞれもっていると思います。それらが十分に発揮されれば、自分のペースで少しずつ、進みたい方向へ進んでいけると思うのです。
この相手のもっている文脈や力を忘れて、ただ自分の正しさを押し付けようとするのは問題です。なぜなら、正しさを押し付けても相手の学びや成長、進みたい方向への支援にはつながらないからです。
私はこうした正しさの押しつけをしていたことにあるとき気付きました。そして、相手の文脈や本来もっている力によって、相手の進みたい方向へ進むことを支援する、という立場をとりたいと思うようになりました。
結城先生が同じようなお考えなのかどうか、わかりません。しかし、結城先生のツイートや文章からは、「あなたはきっとできる」という愛を感じるのです。私はそれが嬉しいのだと思います。
どうして作家なのか
私はもともと教師になりたかったのでした。
教師は、学習指導要領にある程度基づきながら、学校全体とあゆみを揃えながら教科について伝える必要があるでしょう。その中では、学校の立場を考えて必ずしも生徒に寄り添う発言ができるとは限りません。
作家であれば、学校の立場やきまりとは距離を置いて、本当に生徒さんに、読者さんに寄り添うことを考えて発信できる気がするのです。
また、私は相手が言葉を発するよりも先に、何か言いたくなってしまうことがあります。自分の中にあるメッセージをどうしても発したくなってしまうのです。
作品であれば、読みたいときに読むことができます。閉じたいときに閉じて、開きたいときに開くことができます。あらかじめ書いておき、新鮮なメッセージを伝えることができる気がするのです。
まとめ
私は、読者が自分のもっている力を思い出し、取り戻し、その力によって進みたい方向へ進めるような作品を作りたいです。
そうして多くの人を励まし、自分自身も試行錯誤する実践者として読者とともに歩めるような作家でありたいと思います。
読むとほっと落ち着いて、本来の力が戻ってくるようなものを描きたいです。達成したい世界観は、「自分を信じる」…なのですが、これには自分を信じないことも必要に思います。またここは考えたいです。
これからまた活動する中で答えが変わっていくかもしれません。2020年9月9日のかきもちは、こうした思いをもっています。