漢字の歴史 その1 漢字の始まり~甲骨文~
漢字は紀元前1300年頃、中国の殷代の武丁(ぶてい)期に甲骨文として誕生しました。
甲骨文は、主に占卜(せんぼく)の記録として使われた文字です。
古代の中国では、亀甲や獣骨を火で焼きできた裂け目の形で吉凶を占う習慣がありました。第22代殷王武丁の時代になると、亀の甲羅や牛の肩胛骨など(=甲骨)に鋭利な小刀で文字(=甲骨文)を刻し記録するようになりました。
すなわち、甲骨文は「天帝(神)との対話」(=占卜)のために生まれたのです。
今日までに発見された甲骨の量は、10万点を超えるそうです。
甲骨文の特徴
筆画は直線的なものが多く、曲線が少ないのが特徴です。
甲骨文は、中国の文字学者、董作賓(とうさくひん)によって刻法の違いから5期に分けられ、それぞれ書風が異なります。
第1期 22代武丁の時代 雄偉(ゆうい)大きく雄健
第2期 23代祖庚・24代祖甲の時代 謹飭(きんちょく)正しく生真面目
第3期 25代祖辛・26代康丁の時代 頽靡(たいび)崩れて弱い
第4期 27代武乙・28代文武丁の時代 勁峭(けいしょう)強く鋭い
第5期 29代帝乙・30代帝辛の時代 厳整(げんせい)文字が小さく整っている
甲骨文は古代エジプトの象形文字やメソポタミアの楔形文字と比べるとずいぶん遅れて中国で誕生しました。
これらの文字の中で、甲骨文はたくさんの変化をしながら漢字として唯一現在も使われています。
甲骨文は時代が変わり金文へと変化していきます。
次回は金文について書きたいと思います。
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