コンプラと心の揺れ
仕事をしている人はわかる感覚かもしれないが、最近の企業は「コンプライアンス」というものにたいへん厳しい。日本語でいうと「法令遵守」というやつで、ルールを守って倫理的に正しい判断と行動をしようねという話である。
ルールは明文化されているのでわかりやすいのだが、一方で倫理観のところは、はっきりとした線引きがない。だから、間違ってもコンプライアンス違反として指をさされないためにも、
やった方がいいと思うことはやろう
やめた方がいいと思うことはやめよう
なんてことを指導されたりする。
直感を利用しながら、よく考えて行動をしなさい、ということである。
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この倫理のグラデーション的感覚だが、実は似たようなもの日常のあらゆるところに隠れていたりする。
例えば、コンビニ。小腹が空いたので何か買おうかなとぶらつくと、さまざまな誘惑に襲われる。どれにしようかと悩んで、結局どでかいあんぱんのような高カロリーの糖質爆弾を選ぶ。ついでにいつもは買わない味の飲み物も買ったりする。そして食べて飲んで、幸せを感じる。
こんな何気ない日常の一幕だが、その商品を悩んでいる過程において、コンプラのときのようなグラデーション的感覚が実はある。
買った方がいいかな
やめておいた方がいいかな
そんな心の揺れがあるのだが、普通の人はそんなものには気が付かない。
でも実は、この心の揺れに敏感になって判断を下すと、自分にとって好ましい結果が待っていたりもする。だいたい、買った方がいいか悩んだときは、その悩みの背後に何かしらの引っ掛かりの大元があるものである。
それは金銭的なものかもしれないし、
はたまたダイエットの話かもしれないし、
もしくは時間の使い方のことかもしれない。
いずれにせよ、コンプラと同じような「本当はやめておいたほうがいいのでは…?」という心の囁きがあるのだが、だいたいは無視されてしまう。
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会社でコンプラについていちいち言われているおかげで、僕はそんな心の声に耳を傾けるような癖がつきつつあるように思える。日常生活でもそんな声を聞くだけでも、生活がすっきりとしてきたりする。
人間は、直感でいいことや悪いことを把握しているのかもしれない。
その仕組みはどうなっているのだろうかと疑問を持たずにはいられないが、そんな不思議な直感の力に頼ってみることが豊かな生活を送るための最大のヒントになりうると思うのである。
最近あなたは自分の心の揺れに気がついていますか?
今年ももう11月に入るけれども、ちょっと立ち止まってみるのもいいかもしれない。
2024.10.31
書きかけの手帖
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